2026 年 3月 22日 (日)
ホーム社会韓国の一家死亡が映す支援の限界…危機世帯指定後も防げなかった悲劇

韓国の一家死亡が映す支援の限界…危機世帯指定後も防げなかった悲劇

蔚州郡の集合住宅の玄関。室内で父親と子ども4人が死亡しているのが見つかった(c)news1

韓国蔚山(ウルサン)蔚州郡の集合住宅で、30代の父親と未成年の子ども4人が死亡しているのが見つかり、地域に衝撃が広がっている。

現場となった住宅の玄関には規制線が張られ、消防が強制的に開けたとみられるドアの取っ手や鍵の破損跡が残されていた。郵便受けには不在通知が複数貼られており、数日前から生活の気配が途絶えていたとみられる。

亡くなったのは、小学校に入学したばかりの長男(8歳)をはじめ、6歳、4歳、そして2025年冬に生まれた2歳の末っ子の計4人の子どもだった。

近くで店を営む住民は「父親は子どもたちの食べ物をよく買っており、身なりも整っていた」と話す。別の住民によると、父親はこれまでにも数回、菓子や食料をつけで購入していたという。

この住民は「亡くなる前、17万ウォン(約1万9000円)分の食べ物や菓子をつけで持っていった。それを子どもたちに食べさせてから命を絶ったのではないかと思うと胸が締め付けられる」と涙ながらに語った。

また別の住民は「数カ月前、父親が乗っていた外車が差し押さえられ、生活が急激に苦しくなったようだった」と証言。数日前には女性の怒鳴り声が聞こえたとも話した。「末っ子は外に出た姿を一度も見たことがない。太陽も見ずに亡くなったと思うとやりきれない」と声を詰まらせた。

行政福祉センターによると、この家庭は生活保護の対象ではなかったが、毎月、児童手当や保護者給付を受けていた。父親は無職で、1人で4人の子どもを育てていたという。

この家庭は2025年、保健福祉省により「福祉の死角にある危機世帯」に指定され、訪問相談が実施された。

当時、父親は「妻は2025年12月に収監された」と説明していた。福祉制度の利用も勧められたが、「生活は可能だ」として断っていたという。

その後もセンターはコメやラーメンなどの支援物資を届けるなど見守りを続けていた。

一家5人は18日午後4時48分ごろ、自宅内で発見された。警察は死亡時期を16日ごろとみている。小学校に通う長男が3日間登校しなかったことを不審に思った学校の通報が発見につながった。

現場からは「妻に申し訳ない」と記された父親の遺書が見つかった。

(c)news1

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