2024 年 7月 24日 (水)
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200日でこの世から消える「毎日0.2kgダイエット」 [KWレポート] 痩せるリスク (1)

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韓国で摂食障害患者が増加傾向にあり、その年齢層はますます下がっている。痩せた体で踊り、演技する芸能人を「きれいだ」と考える青少年は、向精神性医薬品を違法に購入して服用している。韓国社会はこの病にどう向き合い、どう解決しようとしているのか。

◇13年間の摂食障害

「食事:朝食、昼食、夕食のように毎日、一定時刻に食べるご飯、またはそのように食べること――標準国語大辞典」

日々の食事は、一定の時間に繰り返される平凡な行為だ。自然であり、時に退屈でもあるが、「ご飯、食べた?」という質問は韓国社会で1日の平穏さを確認する挨拶の言葉になる。

しかし、この「日常の食事」は、13年間の摂食障害を経験してきた韓国人女性のイ・ソンミンさん(29)には、まだ平凡なものではない。長期にわたり、ずっと恐怖であり、憂うつな行為で、今年3月から「食事の練習」をしている。

その月の半ば、13年ぶりに1人前の食事を終えることができた。食事後に作成した「食事日記」には次のようにつづられている。

「最初の治療であり、思ったより不安だった。(それでも)負担も少なく、軽かったし、お腹が適度に膨らんだ。やってみる価値があり、そのまま消化させた」

初めての食事練習を終えた日、ソンミンさんは限りなく涙が出たという。「私はなぜ、今までこんな食事ができなかったんだろう」。思ったより消化しやすかった。他人の視線が気になり、ご飯1食も消化できず、自身を見失った日々が恨めしかった。

◇飛ぶために軽くなったが、人生は沈んだ

今年満29歳のソンミンさんは24歳まで職業「ダンサー」だった。大学に入り、現代舞踊を専攻した後、舞踊団に入って活動した。職業であるダンスには、いつも身体、体重に対する強迫観念が付きまとう。

強迫観念は、舞踊を志して入試の準備を始めた高校2年生の時から始まった。入試準備のためのクラスの先生は、52㎏のソンミンさんに「豚みたいで太っている」と繰り返した。大学に合格するために痩せなければならないという圧迫を感じ、ソンミンさんは1年間、リンゴとかぼちゃだけを食べながら「延命」した。体重は1年で11kg減った。

体は軽くなったが、人生は重くなった。体重が減るほど強迫観念は強くなり、ソンミンさんを締め付けた。友達と一緒に食べていたおやつをやめて、次は給食もやめた。おのずと、孤立していった。毎日、体重を量り、前日より0.2㎏減らすことを目標にした。200日間で世の中から消えてしまうことになるペースだ。

大学に進学し、舞踊団に入団しても痩せた体を維持しなければならない――この圧迫が続いた。痩せてこそ舞台に立つことができ、痩せてこそチャンスを得ることができた。体が“乾く”たびにソンミンさんは一種の喜びを感じたという。目標を達成した、自らをうまくコントロールできた、という充実感が生まれた。体重計の数値は、試験紙の点数のように作用し、数値が満足するたびにソンミンさんは自らに「今日もとてもよくやった」と話しかけた。

◇ずっと食べて、再び飢えさせる

しかし、正常な生活は遠ざかっていく。絶食を我慢して耐えられなかったら暴食をし、再びこれに耐えられず、嘔吐を繰り返した。

舞踊をやめてからも症状は好転しなかった。1日中ずっと食べて、再び飢えさせるという手法で自身を満たす日を繰り返した。1日中食べ物に対する考えを消すことができなかった。時間が経つにつれ、体重に対する意識も消え、むしろ食べてまた吐くという行為だけに執着するようになった。

「愛されたかったんだと思います」

ソンミンさんは人生を振り返った時、摂食障害に陥った原因の土台に「寂しさ」があったと話した。共働きの両親の下で幼いころから子役生活をしていたソンミンさんは、1人でいる時間が多かった。寂しさは積もっていき、大人たちに認められ、愛されたい欲求が大きくなった。大人たちは「痩せてスリムなことをいいことだ」と言い、太ったことを「怠けて努力しないことだ」と言った。

(つづく)

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