
韓国サムスン電子のオーディオ専門子会社ハーマンインターナショナルが、最近、海外工場を相次いで増設し、グローバル車載電装市場の先頭走者としての地位固めに乗り出している。海外で家電、テレビなど一部製品の生産施設を閉鎖する一方、新事業である車載電装分野では工場を拡大し、「選択と集中」戦略を本格化している。
サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長は副会長時代の2016年、「サムスンの次の成長動力」として車載電装を選び、ハーマン買収を主導した。
業界によると、ハーマンは最近、メキシコとハンガリーなど海外工場内の車載部品組み立てラインを継続的に増設していることが分かった。2025年には600億ウォン(約66億円)を投じ、インド・プネにある自動車部品工場を増設した。
サムスン傘下のハーマンは現在、主要車載部品であるデジタルコックピットとカーオーディオ分野で1位を走っている。ハーマンは2025年、営業利益1兆5311億ウォン(約1680億円)を記録し、過去最高の実績を達成した。全体売り上げに占める車載電装の比率は半分以上だ。
ハーマンのメキシコ工場は北米、すなわち米国とカナダ市場を、ハンガリー工場は欧州市場を攻略する拠点だ。メキシコ工場はハーマンの世界最大規模の製造拠点の一つで、北米のGM、フォードなどに製品を供給している。ハンガリー工場は欧州車載電装事業の中核拠点に挙げられる。
ハーマンは継続的な投資を通じ、技術高度化、つまり自動化と生産能力拡大に力を入れている。自動運転の高度化とソフトウエア中心車両(SDV)への転換が重なり、未来自動車部品の需要が急速に成長しているためだ。
市場調査会社フォーチュン・ビジネス・インサイトによると、世界の自動車電装市場は2025年基準の3025億ドル(約43兆6000億円)から年平均4.9%成長し、2034年には4679億ドル(約67兆4000億円)規模に拡大すると見込まれる。
ハーマンの大規模投資は、サムスン電子が車載事業を未来の成長動力と位置づけ、この分野で確かな主導権を握るという意志の表れと受け止められている。
ハーマンは2016年にサムスン電子に買収されて以降、10年間で売り上げが2倍、営業利益が26倍以上に急成長した。ハーマンのオーディオ製品やデジタルコックピット、カーオーディオなどの車載ソリューションは、サムスンの先端IT部品技術と製造能力と結びつき、安定したハードウエア供給基盤を確保した。
特に李会長が未来新事業として車載分野に目を付け、ハーマン買収を推進しただけに、李会長の決断が実を結んでいるとの評価が出ている。
ハーマンは単なる部品供給を超え、安全性と利便性を組み合わせた先進運転支援システム(ADAS)の統合に速度を上げている。搭乗者の車内体験全般を制御するシステムソリューションだ。
ある業界関係者は「サムスン電子が海外で一部事業を縮小し、生産を中断するなど効率化に注力する状況で、ハーマンには攻撃的な投資を続けている。急成長中の車載電装事業で首位の地位を固めるという意志だ」と説明した。
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