2024 年 5月 5日 (日)
ホームライフスタイルビューティー注射針が体の中で溶ける?「マイクロニードル」進化…韓国製薬業界に関心広がる

注射針が体の中で溶ける?「マイクロニードル」進化…韓国製薬業界に関心広がる

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湿布のように貼る形の注射である「マイクロニードル」(微細注射、Microneedle)技術が進化している。今や皮膚の中で注射針と薬物が一緒に溶ける「溶解性」方式まである。

既存のマイクロニードルは、多様な微細針を並べ、針の中の穴から薬物を注入する固体構造体方式が大半だった。だが、今は薬物成分自体で注射針を作る「溶解性」やハイドロゲル(gel)形成など新たな方式が浮上している。

◇次世代薬物伝達技術

マイクロニードルは経口用薬物と既存の注射剤型薬物を代替できる次世代薬物伝達技術だ。2020年の世界経済フォーラム(WEF)で、未来社会を変化させることができる10大有望技術の一つに挙げられた。

製造原価が比較的安く大量生産が容易だ。個人が自ら薬物を投与することもでき、医療サービスが不足している地域や新型コロナウイルス感染拡大のようなパンデミック状況で積極的に活用することもできる。

マイクロニードル技術は皮膚科でよく使われるが、数多くの微細針が付いた形態の固体マイクロニードルと、中空型のホロー(Hollow)マイクロニードル、溶解性マイクロニードルなどに分かれる。現在は溶解性マイクロニードルが最も多く開発されている。

固体マイクロニードルの場合、注入される薬物の量が一定ではなく、薬物成分の伝達力が十分でないという短所がある。また、従来の注射と同じように針の中に穴を形成して薬物を注入するホローマイクロニードルは、製造が難しい。

一方、溶解性マイクロニードルは生分解性素材でマイクロニードルを作り、皮膚挿入時に注射針が体内で溶解しながら薬物が注入される仕組みだ。この方式の場合、適用可能な薬物がまだ限定的だという短所があるが、最近最も急速に成長している。

◇多様な薬物に適用

市場調査機関「フューチャーマーケットインサイト」によると、溶解性マイクロニードル市場は2020年に8400万ドルだったが、2030年には2億2330万ドル規模に増加する見通しだ。年平均成長率は10.3%で、同期間の固体マイクロニードル(4.8%)、ホローマイクロニードル(7.7%)を上回っている。

韓国のバイオ企業もマイクロニードル市場を先導している。ラパスは加熱工程なしに5分以内にマイクロニードルを製造できる「DEN」技術を基盤に今年、米国でマイクロニードルを活用した初のニキビ治療一般薬を公表した。

シンシン製薬は、マイクロニードルの薬物溶解度と生体利用率を極大化するマイクロスフィア(microsphere)技術を確保し、最近、関連製品の開発を本格化させた。

この他にもソウル郊外の城南市にあるマイクロニードル開発会社クアッドメディスンは昨年、翰林製薬にマイクロニードルパッチを付着する瞬間に針が分離され表皮の中に浸透するという、パッチを長時間貼らなくても良い分離型技術を移転した。

韓国の製薬業界関係者は「薬物成分をどのように伝達するかが医薬品の競争力をわける。マイクロニードル技術は多様な薬物に適用することができ、未来展望が明るい。多くの製薬会社が関心を持って研究中だ」と語った。

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