2024 年 4月 29日 (月)
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日本と東南アジア、気になって仕方がない [KWレポート] 韓国カジノの“告白” (1)

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観光客集めのために日本と東南アジア各国のカジノ産業の覇権争いが激しさを増している。これらの国では、オープンカジノと統合型リゾートに大々的な投資を惜しまない。だが韓国カジノは依然、足踏み状態だ。

◇あくまで外国人向け

カジノ業界は「外貨獲得」と「観光振興」に大きく貢献したが、K-観光の主要構成要素として注目されていない。「カジノ=賭博」という認識が人々の頭の中にあるためだ。

韓国においてカジノ産業は外国人向けだ。韓国で営業する17のカジノのうち、韓国人の出入りが許されたのは「江原(カンウォン)ランド」1カ所だけだ。残りは外国人を対象に外貨を獲得し、観光収支の改善に大きく貢献している。

文化体育観光省のカジノ業現況によると、外国人専用カジノが稼ぐ外貨は、観光外貨収入の6%を占めているが、業者1社当たりの観光外貨収入を、一般観光事業体と比べると、約129倍にもなる。

2019年に韓国のカジノを訪れた外国人観光客は約330万人で、12億ドルの外貨を稼いだ。この数字は新型コロナウイルスの感染拡大以後、半分になり、2020年は約60%減の5億ドルに落ち込んだ。

◇コロナでパワーダウン

観光産業分野でカジノは唯一、営業損益とは関係なく売上高の10%以内で観光振興開発基金を納付する。2019年に納付した金額は約1372億ウォンだったが、2020年は28%減の約977億ウォンだった。これは国内観光全般の成長パワーを下落させた。

韓国政府は今年の輸出目標を900兆ウォンに設定し、「汎政府輸出拡大戦略」を発表した。観光分野では旅行収支改善のために外国人観光客の誘致や国内旅行活性化などの対策を挙げたが、外貨獲得寄与度の高い外国人専用カジノ産業は、政策から除外された。

コロナ・エンデミックを迎えた今年も、旅行収支の赤字の沼から抜け出せないと予想される。韓国の旅行収支は2000年から昨年までの22年間、慢性的な赤字を抱えている。

今年2月までの外国人旅行客は昨年より約4倍増えたが、海外に行く韓国人旅行客数には遠く及ばず、旅行収支の赤字幅は拡大する傾向を見せている。

◇カジノ成長、旅行収支改善に「目に見える効果」

旅行収支の赤字は、経済全般に相当な悪影響を与える可能性が高い。韓国銀行が発表した統計によると、今年1月の経常収支は45億2000万ドルの赤字で、1980年の統計開始以来、最大だ。

旅行収支の赤字は新型コロナウイルス感染拡大期にしばらく止まったが、すぐに反転した。今年に入って14億9000万ドルで、1年前(5億5000万ドルの赤字)に比べて3倍も急増。さらに、5月の連休を通じた海外旅行特需が始まり、赤字はさらに拡大するものとみられる。

一方、専門家は、K-カジノ産業の成長が旅行収支の改善など目に見える経済的効果をもたらすものと予想する。

韓国経済研究院によると、旅行収支が1億ドル増える場合、経常収支は1億8800万ドル増加する効果がある。輸出など商品収支では0.94億ドル、海外配当など所得収支だと1億1000万ドルの増加にとどまることを考えれば、旅行収支の影響力ははるかに大きい。

あるカジノ関係者は「現在、世界のカジノ産業で韓国の占有率が0.7%から2.5%に拡大されるならば、増加する外貨収入だけで30億ドルに達する。これによる経常収支増加効果は55億ドルに達する」と分析している。

(つづく)

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