2024 年 3月 29日 (金)
ホーム社会シーズン本格化…でも元気をなくした韓国のスキー場

シーズン本格化…でも元気をなくした韓国のスキー場

新型コロナウイルスのパンデミック後、3年ぶりの通常オープンを迎えた韓国・昆池岩リゾートスキー場(c)news1

新型コロナウイルス感染拡大に伴うソーシャルディスタンス措置の解除で、韓国の旅行・レジャー市場全般がよみがえり、冬のレジャーの花と呼ばれるスキーシーズンも本格スタートを切った。首都圏と江原道(カンウォンド)などにある韓国の主要スキー場が一斉にオープン、スキーヤーたちでにぎわっている。

しかし、リフト乗り場に長く並んだ人波を眺めるスキー場の本音は明るくない。オープンを遅らせ、人工雪でゲレンデを埋めなければならないほど気象条件が良くない。スキー人気も衰え、存続の危機さえ感じているからだ。

今月に入って主要スキー場がゲレンデ運営に突入した。今月2日の平昌(ピョンチャン)龍平(ヨンピョン)リゾートとフェニックスパークから始まり、洪川(ホンチョン)ビバルディパークと平昌(ピョンチャン)アルペンシアなどがオープン、10日には江原ランドハイワンリゾートが開場した。近郊スキー場として有名なLGグループ系列の昆池岩(コンジアム)リゾートも同日オープンした。

パンデミック以後3年ぶりのに正常運営であり、入場客も少なくない。ビバルディパークは初日に5000人余り、ハイワンも6000人以上がそれぞれ訪れた。2021シーズン(2020年11月~2021年3月)には、政府の「全国冬季スポーツ施設運営中断」という行政命令により、繁忙期にスキー場が閉鎖された。2022シーズン(2021年11月~2022年3月)にもソーシャルディスタンスにより運営に支障を来たした。こうした状況と比較すれば、成果が出ているとはいえる。

一方、韓国のスキー市場はコロナ前から危機感を抱いている。

韓国スキー場経営協会などによると、国内スキー人口は10年前の2012シーズンの686万人をピークに毎年減少している。平昌冬季五輪の効果でスキーへの関心が高まった2018年でも反騰できなかった。あるスキー業界関係者は「スキー場利用からスキー関連用品販売まで、すべて萎縮している。スキー場周辺用品レンタル店も多くが廃業している」と明かす。

スキー人口も増えない。少子高齢化により、10~20代の利用客が減っている。2000年代初めには小・中学生が団体で冬休みのたびにスキーキャンプを楽しんだが、最近はこうした団体活動が減っている。

気候変動も大きな負担要因だ。12月にも雪が降らない日が続き、スキー場の運営に苦しむ例が多い。通常、11月末にオープンしていたスキー場が、今年はその時期を計りかね、12月になってようやくオープンできるという状況だ。

こうした理由から、首都圏の代表的スキー場だった抱川(ポチョン)ベアーズタウンが営業を暫定的に中断し、龍仁陽地(ヨンインヤンジ)パインリゾートもスキー営業をあきらめた。江原ランドの場合、2012年の第1四半期(1~3月)に152億ウォン(約16億円)に達したスキー売り上げが今年の第1四半期には89億ウォン(約9億円)に減少した。冬季シーズンにはホテル、カジノもスキーと連携して利益を得たため、実質的な損失はさらに大きい。

(c)MONEYTODAY

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