2024 年 3月 28日 (木)
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ウクライナ情勢利用したロマンス詐欺、寄付金詐欺に注意

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60代の女性AさんはSNSで偶然、ウクライナ軍将校というB氏と会って会話を交わすことになった。B氏は作戦遂行中に撮ったとして、現地の惨状を写真で送ってきた。崩れた建物の間には血痕が鮮明に映っていて、両親を失った子供たちが座り込んで泣いていた。B氏自身も戦争中に妻と子供を失ったと話した。

Aさんの夫は早くこの世を去り、子供たちもみな結婚した。寂しかったAさんはある時から、B氏に心が向いた。B氏が銃を持って戦う姿も頼もしく見えた。B氏は戦争が長引いて大変だが、Aさんのおかげで持ちこたえていると言い、それとなく心を開いてきた。今回の作戦さえ終われば、Aさんに正式に告白するため、会いに行くとも言った。

ある日、B氏はAさんに台湾で暮らそうと言い、自分が家を探すと話した。家の契約金の一部だけを送ってほしいという話に、Aさんは疑いなく送金した。送金を受けたB氏はその後、連絡を絶った――。

最近、ロシアのウクライナ侵攻状況を悪用したロマンス詐欺、ボイスフィッシング、スパムなどサイバー犯罪が全世界的に猛威を振るう。

Aさんの事例は、韓国国家情報院がこのほど公開した実際の事例を一部脚色したものだ。

ロマンス詐欺はチャットアプリやSNSなどで異性の好感を得たあと、結婚などを口実にお金を騙し取る手口だ。国情院によると、最近発生したオーストラリアのロマンス詐欺1件当たりの被害額は最大3万5000オーストラリアドル(328万7900円)だ。

戦争の惨状を利用し、寄付金を巻き上げる詐欺もある。国際民間平和団体やウクライナ大使館を詐称して「ロシアに対抗して戦えるよう支援してほしい」と銀行口座や暗号資産(仮想通貨)ウォレットで寄付金を受け取った後、行方をくらます手口だ。彼らはSNSで親切に応対したり、寄付金の領収書を渡すと約束し、疑いをもたれないようにする。

対ロシア貿易制裁の状況を利用した詐欺もある。貿易会社などの海外取引担当者を相手に、金融・貿易制裁措置のために認証手続きが難しくなったとし、情報を追加要求する手法だ。彼らは偽銀行のウェブサイトを作ってリンクを渡した後、インターネットバンキングのIDとパスワードを入力するよう誘導して個人情報を奪取した。

国情院は「司法機関を詐称した金銭・個人情報の要求行為に注意しなければならない。オンライン対話の相手から各種名目で送金要請を受けた場合、ひとまず対話を中断し、犯罪を疑わなければならない」と警告している。

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