「塾をやめさせるべきか悩んでいます」。休みを迎えた韓国で、学校ではなく「塾」に子どもを預けなければならない保護者の心配が大きくなっている。今月3日には死傷者14人を出した通り魔殺人事件が発生し、その後もオンラインコミュニティに「殺人予告文」が相次いで掲載された。子供を持つ親の心配も大きくならざるを得ない。
「公共交通機関を含めて一人で外を歩かせるのが不安で、できれば直接、塾から車で連れて帰りたい。特に塾に行く時は人が多く、さらに不安だ」。中学1年と3年の子どもを持つキム・スクジョンさんはこう打ち明けた。
高校3年の子どもが京畿道龍仁から盆唐の塾に通っているというキム・ウンソンさん(46)は「通り魔の被害に遭うことを恐れ、塾は車で送り、防犯カメラなどの護身用品も探している」と話している。
通り魔が怖いのは、塾に通わない幼い子を持つ両親も同じだ。
幼稚園児と小学生2人の父親、イ・スンソンさんは次のように語った。
「数日前、子どもが教会に行ったが、不安だった。バスから降りる時間に合わせ、子どもの祖母が迎えに行ってくれるのだが、誰かがその時間に合わせて待機し、襲撃することもあり得る、とまで考えてしまう」
通り魔事件後、多くの市民は外出を控えている。事件発生時、近くのカフェにいたナ・チェヨンさん(27)は「現場の駅は数十年間、よく行った場所だが、見慣れた場所が恐怖の場所に変わった。アルバイトするためにしばらく外に出た私を除き、家族は週末の間、家の外にまったく出られなかった」と、不安な気持ちを語った。
警察は今月4日に「特別治安活動」を宣言した。不審者の検問を進めている。6日までの3日間で442件の検問が実施され、このうち14人が現行犯で逮捕された。大半が無許可武器所持や脅迫で、麻薬容疑も1件あった。
ウ・ジョンス国家捜査本部長は記者団に「検問は現場の判断でやる。違う行動を取ったり、特異動向が発見されたりした時に実施する」と説明している。
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