韓国でチョンセ詐欺被害で保証金を返してもらえない借家人が続出するにつれ、住宅都市保証公社(HUG)チョンセ保証金返還保証保険への加入が増加し、その規模がこれまでで最も大きくなっている。
チョンセは、毎月の家賃の代わりに「保証金」としてまとまった額のお金を預ける韓国独特の賃貸住宅制度。家主はその資金を運用して利益を上げる。借り主は毎月の家賃が不要で、引っ越しの際、保証金は全額戻ってくる。
チョンセ保証金返還保証保険は「逆チョンセ難」(賃貸需要より供給が多くなってチョンセ価格が下がり、家主が戦々恐々とすること)や、住宅価格が下がって競売にかけられるなど保証金を返してもらうのが難しい時、HUGが先に借家人に保証金を返す、という商品だ。
HUGは2013年からチョンセ保証金返還の保証商品を発売している。
発給したチョンセ保証は、2018年は8万9351世帯▽2019年は15万6095世帯▽2020年は17万9374世帯――と推移していたのが、ビラ王の詐欺事件(物件を多数所有する家主から保証金返還を受けられない居住者が続出した事件)が明らかになり始めた2021~22年に大きく増え、2021年には23万2150世帯、昨年は23万7797世帯と過去最高を記録した。
発給金額基準では昨年は54兆4510億ウォン(約5兆6822億円)を記録した。これは前年(50兆5508億ウォン)に比べると4兆ウォン近く増えた金額で、やはり最大だ。
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