
韓国済州(チェジュ)島で5月末、ヤマアラシ2匹が済州市の動物園から脱出し、1カ月近くさまよっている。このうち1匹が済州道民に目撃され、済州道側が捕獲作業に着手した。
済州道などによると、西帰浦(ソグィポ)市城山邑(ソンサンウプ)一帯で最近、ヤマアラシを目撃したという通報が寄せられた。
目撃者は、オンラインコミュニティに、ヤマアラシ1匹が、道路上で全身の針を立てて威嚇している写真を公開。「このあたりでヤマアラシを育てていて、逃げられた人はいるか? 退勤後に家に帰ったら(ヤマアラシがいて)別世界に来たかと思った」と書き込んだ。

動物園では10匹のヤマアラシを飼育していた。
済州道側によると、ヤマアラシは外来種であるため、関連法上、行方がわからなくなった場合、直ちに行政に通報しなければならない。しかし、動物園側はこのような手続きに従わなかったため、今後、事実関係の確認などを経て過料処分などを受けることになる。
ヤマアラシは大型げっ歯類で、ハリネズミに似ている。主にアジア、アフリカ、ヨーロッパの熱帯に生息する。顔は穏やかそうに見えるが、敵が現れると長くて硬い最大35センチの針を立てて突進する。
単なる防御用のハリネズミの針とは異なり、ヤマアラシの針は攻撃的だ。とげに突起が出ていて皮膚に刺さると、抜くのが困難で激しい苦痛を感じるという。針に毒性はないが、傷がひどかったりウイルスに感染したりすると、生命を脅かす事態になりかねない。
実際、アフリカなど海外では、ヒョウやライオンなどの猛獣がヤマアラシを攻撃して針に刺され、死んだり怪我をするケースがしばしば発生する。
©MONEYTODAY