2024 年 5月 9日 (木)
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[KWレポート] 私の赤ちゃん、育てない権利 (2)

団体行動でスローガンを叫ぶ参加者ら(c)news1

「出生通報制と保護出産制導入問題では、本当に多くの議論が抜けている。今、保護出産制をむやみに実施すれば、その子どもたちをどのように養子縁組させるのか。その子どもたちが将来、『親は誰なのか』を知ろうとした時にその権利をどう保護するのか」

こう語るのは、韓国未婚の母支援ネットワークのユ・ミスク対外協力局長だ。「子どもの父親が、今よりもっと安易に、その子どもや母親をあきらめるようになるなど、さまざまな副作用が非常に多く発生するだろう」と見通す。

保護出産制の性急な施行は、柱を立てずに屋根を載せるようなものだ――ユ・ミスク氏はこう表現する。そのうえで「真っ先に、シングルマザーに対する妊娠、出産支援体系をより細かく整えるべきだ。そうしたあとでも、今のように匿名出産・遺棄児童が多いようなら、保護出産制を施行すべきだ」と指摘する。

◇「中絶」の論議

究極的には、女性が望まない出産そのものを避けられるようにする方法=中絶についての議論を本格化するべきだ、という指摘も出ている。

堕胎罪は2019年、憲法裁判所で「憲法不合致」決定が下された。以後、国会は代替立法に向けた議論に手をこまねいている。

「乳児遺棄問題は、女性の妊娠と出産前のプロセスをすべて調べなければならない問題だ」。韓国女性団体連合のキム・ミンジョン代表はこう訴える。「妊娠というのは、いくら避妊したとしても完璧に防げるものではない。一方で、養育する環境が整っていない女性が突然、妊娠や出産をすることになれば、非常に当惑する」

妊娠と出産の各段階別で、当事者である女性の権利をどのように保護できるか――この問題に国が積極的に乗り出すべきだという。

「根本的に、妊娠中絶は女性に保障されるべき一つの選択肢だ。堕胎罪の憲法不合致決定が出た後、この妊娠中絶についての議論が進まず、問題が放置されている。いまの状況をとらえて、総合的な議論が必要だ」

キム・ミンジョン氏はこう強調した。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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