
世界的なK-ビューティーブームをけん引してきた韓国のインディビューティー企業が、アメリカ市場を超えてヨーロッパ市場へ本格進出を図っている。ユーロ圏の景気が緩やかに回復する中、マスクパックや高機能・高コスパ化粧品への関心が高まっていることが背景にある。
APRやアヌア(Anua)といった有力ブランドは、現地の大手ドラッグストアや百貨店と提携し販路を拡大している。APRは英国最大のドラッグストア「ブーツ(Boots)」への入店を果たし、パリの老舗百貨店「サマリテーヌ」でもK-ビューティーコーナーを展開。英国ではK-ビューティー専門店「Pure Seoul」にも展開中で、欧州20社以上と供給契約を締結、販路拡大を進めている。
一方、アヌアは「ブーツ」の店舗数を従来の120店から470店に急拡大し、主力製品のドクダミ・クレンジングオイルやフォームなどを展開中。さらにスキン1004は、イタリアの「DM」やスペインの「カルフール」など欧州主要リテールにも進出している。
業界によれば、欧州の化粧品市場において韓国製品は「高機能×高コスパ」の強みを活かして急成長中だ。実際、2025年1~4月期の韓国の対EU化粧品輸出額は5億1000万ドルで、アメリカ(4億9000万ドル)を上回り初の首位となった。
ユアンタ証券のイ・スンウン研究員は「欧州経済が物価安定と財政拡大で回復基調にある今、地政学的に有利な戦略拠点として浮上している」と分析。業界関係者も「今後は現地の流通網を活用し、ブランドの定着と日常生活への浸透が成否の鍵になる」と話している。
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