
韓国の次期大統領が6月3日深夜にも確定する。行政安全省はその瞬間、就任式の準備に突入する。今回は前任者の罷免による繰り上げ就任となるため、大統領職引き継ぎ委員会もなく、12時間以内に就任式の開催時間、場所、招待者名簿の最終決定という慌ただしい日程が予定されている。
行政安全省によれば、政府の儀典業務を担当する議政館室は当選者決定の直後、4日午前中に開かれる就任式の計画案を確定する。
今回の就任式は、2017年に大統領に当選したムン・ジェイン(文在寅)氏の就任時と同様に、「就任宣誓式」を中心とした簡素な形式になる可能性が高い。ムン・ジェイン氏もパク・クネ(朴槿恵)氏の大統領罷免による繰り上げ当選後、翌日に約300人を国会中央ロビーに招き、宣誓と演説のみの簡素な就任式となった。
今回も式典の有力な開催地は、国会本館中央に位置するドーム型天井下のホールとされており、日時は4日午前11時または正午ごろが検討されている。
行政安全省は準備に向け、国会のある永登浦区に道路使用に関する協力を要請し、警察および消防当局との安全対策調整も進めている。
通常、大統領就任式は次官を団長とする「大統領就任行事実務推進団」が設置され、引き継ぎ委員会と協議しながら招待者名簿などを策定する。しかし今回は、同委員会設置がなく、事前の候補者特定もできなかったため、行政安全省内部であくまで「予測」ベースで準備を進めてきた。
ムン・ジェイン氏の当確は選挙翌日の午前2時37分ごろだった。今回も当選者が深夜に確定すれば、その時点で行政安全省が準備してきた計画案をもとに当選者側と最終協議し、招待案内などの徹夜作業に入るとされている。
行政安全省の関係者は「就任式に関するすべての事項は、最終的に当選者本人の確認を経て確定される」と述べている。
招待対象としては、5部要人(国会議長、最高裁長官、憲法裁判所長、監査院長、中央選管委員長)や各政党代表など、政治的偏向性のない人物を中心とした名簿が準備されている模様だ。先週には、各地方自治体の儀典担当部署を通じて出席可能かどうかの調査も進められたという。
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