
韓国の大手製薬会社「東亜製薬」が展開するニキビ跡専用の外用薬「ノスカナ(NOSCARNA)」が、傷跡治療市場の「ゲームチェンジャー」として成長を続けている。昨年の年間売り上げは200億ウォン(約22億円)を突破し、傷跡治療薬市場で圧倒的な販売量を記録した。
ノスカナは2013年に発売され、韓国国内の一般用医薬品(OTC)として唯一、ニキビ跡への使用が適応症として認められている。ヘパリンナトリウム、アラントイン、デクスパンテノールを含む処方で傷跡の再生を促し、酸化亜鉛、ナイアシンアミド、ビタミンEによる美白効果も期待されている。
従来の傷跡治療薬は軟膏やクリームが主流で、べたつきや吸収の遅さが課題だったが、ノスカナはジェルタイプを採用し、速乾性とさっぱりした使用感を実現している。持ち運びしやすいチューブ型パッケージも好評を得ている。
セルフメディケーションのトレンドと相まって、ノスカナは薬局で手軽に購入できるOTC市場の拡大にも貢献している。ニキビ跡だけでなく、手術跡や火傷跡のセルフケア製品としての認識も広がった。
成功の背景には、巧みなマーケティング戦略がある。当初は一般的な傷跡治療薬として注目されなかったが、「ニキビ跡専用」という差別化戦略を打ち出し、市場の関心を集めた。2019年には若者に人気の俳優ヘリを広告モデルに起用し、ブランド認知度が急上昇している。同年の売り上げ100億ウォン(約11億円)を達成後、右肩上がりに成長し、2023年には171億ウォン、2024年には200億ウォンの大台を突破した。
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