
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾審判の宣告を控え、韓国国内は「賛成」と「反対」に分かれた世論の対立が激化している。専門家らは、宣告後も国論の分裂が続く可能性が高いとし、双方が憲法裁判所の決定に従い、社会的合意を形成する努力が必要だと強調している。
法曹界によれば、憲法裁は2月25日にユン大統領の弾劾審判弁論を終結させたが、18日が経過した3月16日現在も宣告期日を定めていない。これは歴代大統領の弾劾審判の中でも最長の評議期間となっている。
このように憲法裁の判断が長引く中、弾劾賛成派と反対派の集会はますます過熱し、憲法裁周辺では徹夜での集会が続いている。社会学者のソウル大学のソ・イジョン教授は「既に家族や友人間でも政治的意見の違いによる断絶が生まれている。民主社会のシステムを回復させるためにも、これ以上の分裂を防ぐべきだ」と語った。
世論調査でも国民の分裂は鮮明に表れている。リアルメーターが3月10日に全国の成人男女501人を対象に実施した調査(エネルギー経済新聞依頼)によると、55.6%が「憲法裁はユン大統領の弾劾を認め、罷免すべきだ」と回答し、43%は「弾劾を棄却し、職務復帰させるべき」と答えた。
専門家らは「どのような結果が出ても国民全体が受け入れる姿勢が不可欠だ」と強調する。ソ・イジョン教授は「憲法裁への不信や陰謀論を広げることは、民主主義の成果を自ら否定することだ。法的手続きを信頼しなければ社会的対立は収束しない」と警告した。
ソウル大学のキム・ユンテ教授は「政治家が率先して、おおやけに『憲法裁の決定を尊重する』『暴力的扇動に反対する』などと宣誓すべきだ」と提案した。
また、憲法裁の決定に従わず違法行為に及ぶ場合、厳正に対処するべきだという声もある。全北大学のソル・ドンフン教授は「法の秩序を守ることでこそ、韓国の民主主義と国益を維持できる。政党や個人の利益にのみ奉仕する政治家に対しては、選挙で厳しい審判を下すべきだ」と語った。
西江大学のハ・サンウ教授は「メディアは政治家の争いよりも具体的な公約を検証すべきだ。国民も政争に巻き込まれるのではなく、実質的な利益をもたらす政策を提示する候補に注目すべきだ」と述べた。
(c)MONEYTODAY