2025 年 3月 6日 (木)
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韓国SOLUM、日本のリテールテック市場攻略を加速…昨年の売り上げ100%増

「リテールテックJAPAN2025」SOLUMブース=SOLUM(c)KOREA WAVE

ESL(電子棚ラベル)やデジタルサイネージ(電子看板)などを手掛ける韓国企業「SOLUM(ソルエム)」が、4~7日に東京ビッグサイトで開催されている「リテールテックJAPAN2025」で、最新のデジタルディスプレイや店舗自動化革新ソリューションを公開している。

「リテールテックJAPAN」は、日本最大規模の流通・小売業向けデジタル変革(DX)技術を紹介するイベント。今年は人工知能(AI)やデータ活用、ITソリューションを中心に261社が参加し、約8万人の来場が見込まれている。

SOLUMは、ESLを中心にデジタルサイネージやビジョンAI、IoT機器が相乗効果を生み出す未来のリテール像を提示し、大型スーパーや通信企業、生活用品店など業界関係者の注目を集めている。

展示のハイライトは、ビジョンAIを活用したスマートディスプレイだ。このソリューションは、客の性別や年齢層を認識し、パーソナライズされた広告を配信する仕組み。例えば、40代の女性がカメラを見つめると、それを認識し、アンチエイジングクリームを推薦する。一部の日本のメディアは、SOLUMについて「日本の流通市場を先進化させる技術を持つ企業」と評価している。

また、店舗の運営を支援するソリューションも人気を集めた。ESLタグのボタンを押すだけで商品の在庫を確認・発注できる。デジタルサイネージと連携すると、客が探している商品の位置を地図上に表示し、該当商品のタグにLEDの光を点灯させることもできる。

さらに「パワーレール」は、太陽光や店内の照明を利用してESLを稼働させることで、使い捨てバッテリーの使用を削減し、電力コストを抑える効果がある。

「リテールテックJAPAN2025」SOLUMブース=SOLUM(c)KOREA WAVE

今後、SOLUMはこれを統合プラットフォームの形へと発展させる。SOLUM・ソリューション・プラットフォーム(SSP)は、店舗のデータを一元化し、リアルタイム分析や迅速な意思決定を支援する。店舗管理者は、単一のダッシュボード上で売り上げや在庫、売り場の混雑度、リテールメディアの効果などを総合的に把握できる。

今回のイベントで注目されるのは、SOLUMの現地パートナーシップだ。日本のESL市場は、外国企業が単独で参入するのが難しい市場として知られている。そのため、多くの業界専門家は、現地の事情に精通した大手SI企業とのパートナーシップが重要だと指摘している。

SOLUMは日本のビプロジーー(BIPROGY)やアイニックス(AINIX)と長年にわたり協力してきた。この3社は、日本市場向けの流通ソリューション開発を軸に、SOLUMはESLを、ビプロジーは流通特化型ソフトウェア開発を、アイニックスは在庫管理の効率化技術を、それぞれ担当している。

ビプロジーの関係者は「日本の小売チェーンの多くが人手不足という社会問題に直面している。SOLUMのESLと当社のソフトウェアを組み合わせたサービスで、小売店舗のデジタル化を支援することが目標」と語った。

アイニックスの関係者は「アイニックスは、小売店舗で働く人々の業務をどのように最適化できるかを常に考えている。その取り組みの一つが、SOLUMのESLと店舗スタッフ向けハンディターミナルの連携だ」と説明している。

2023年に設立されたSOLUMの日本法人は、ESL市場の後発企業でありながら、昨年の売り上げが100%成長を遂げた。日本国内のトップスーパーマーケットチェーン、大手ホームセンター、主要ドラッグストアなどでSOLUMのESLが採用されており、その他にも多くの企業と概念実証(PoC)を進めているという。

(c)KOREA WAVE

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