27日未明から首都圏に降り続いた記録的な大雪が通勤ラッシュに直撃し、ソウル各地で交通の大混乱が発生した。地下鉄は乗客であふれ、通常より数本の列車を見送らないと乗車できない状況に。さらに、地下鉄9号線では一部列車が故障し、通勤客の混乱は一層深刻化した。
27日午前8時50分、ソウル市江南区の地下鉄9号線塩倉駅。通勤ラッシュが過ぎた時間帯にもかかわらず、駅のホームは足の踏み場もないほど混雑していた。エスカレーター前には乗車待ちの長い列ができ、列車到着時には「押さないで」「もう乗れません」といった苛立ち混じりの声が飛び交った。
会社員のオムさん(32)は、塩倉駅から次の仙遊島駅まで2駅分の通勤に30分以上かかったと話す。「8時20分に駅に着いたが、乗れたのは8時53分だった」と嘆き、結局、職場に遅刻して上司に事情を説明する羽目になったという。
ソウル市は大雪による交通混乱を受け、地下鉄1~8号線の朝ラッシュ時運行時間を通常の午前9時から9時30分まで延長したが、混雑解消には至らなかった。
公共交通機関の混乱は地下鉄だけではなかった。主要なバス停でもバスを待つ市民が列を成し、雪の影響で運行遅延が相次いだ。ソウルのあるバス停では、行先表示板を不安げに見つめる市民の姿が目立ち、一部の人々はスマートフォンで遅延状況を撮影する様子も見られた。
一方、車両による通勤も困難だった。雪で凍結した道路が車の速度を著しく低下させ、カメの歩みのような状態が続いた。京畿道高陽市からソウル市鍾路区に通勤する会社員(50代)は「通常より30分以上時間がかかり、結局、遅刻しそうだ」と話した。また、道路の混雑と滑りやすい路面を警戒し、多くの市民が徒歩通勤を余儀なくされた。
気象庁によると、27日午前時点で京畿道陽平で最大21.9cm、ソウル市城北区では20.6cmの積雪を記録した。特にソウル東北部(城北区、蘆原区など)では大雪注意報が大雪警報に切り替えられるほどの記録的な降雪となった。
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