「売り物は2倍に増え、価格も安くなりましたが、売り上げは半分以下です」
10月23日午前9時、ソウル東大門区清涼里(トンデムング・チョンリャンリ)の青果物市場。果物屋を営む70代のパクさんは「シャインマスカットがあまり売れない」とこう話した。パクさんは「昨年は1キロ1万5000ウォン(約1650円)を超えたが、今はだいぶ下がった。わたしたちは8000ウォン(約880円)で販売している」と明らかにした。
この日、パクさんの店頭にはシャインマスカットとリンゴ、メロン、トマトとイチジクなどさまざまな果物があった。店を訪れる客の視線はリンゴなどに向けられ、シャインマスカットを手に取る客はいなかった。
清凉里の青果物市場で40年以上果物を売ってきた60代のキムさんも「シャインマスカットの価格が暴落した」と話した。キム氏は「昨年4kgで4万ウォン(約4400円)台だったが、今は2万ウォン(約2200円)台。昨年と比べて半分も売れない」と明らかにした。
さらに「大部分の農家が黒ブドウからシャインマスカットに品種を変えて栽培し、価格が安くなったようだ。いままでのブドウは雨が降ればブドウの実がはじけてしまうが、シャインマスカットは栽培しやすい」と話した。
60代のソさんは「今2kgのシャインマスカットが150箱あるが、完売するにはかなりかかる。少なくとも3~4日以内に売り切らなければならないが心配」と話した。
消費者たちは「果物系エルメス」という異名が色あせるほどシャインマスカットの味が以前のようではないと口をそろえた。
この日、リンゴ2袋を購入した60代のチョンさんは「最近シャインマスカットは実が小さく味も昔より落ちた」と話した。
リンゴ一袋だけ買った60代のチェさんも「シャインマスカットは何の味もしないし美味しくもない。慶尚道の言葉でニンニンハダ(水っぽい)という言葉があるが、ぴったりの言葉だ」と話した。続けて「元々シャインマスカットが好きだったが、もうおいしくないから安くても買わなくなった」と話した。
実際、シャインマスカットブームで栽培農家が急増し、需要より生産量が増え、価格が大幅に下落したことがわかった。農産物流通情報によると、同22日のシャインマスカットの平均小売価格は2キロ1万3622ウォン(約1500円)で、9月より34.27%下落した。前年同期比29%、平年比49.44%下落した。
韓国農村経済研究院のキム・サンヒョ動向分析室長は「需要よりも供給が多ければ価格下落は当然のことだ。消費者需要がシャインマスカットから他のブドウに移ろうとする傾向が見られる」と明らかにした。
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