東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に対応するため、韓国政府が原子力安全委員会内に設置した放射能監視対応チームについて、来年度の関連予算案が36.1%減少することが明らかになった。
同委員会の資料によると、来年度の放射能監視対応チームに割り当てられた予算案は47億4200万ウォン(約5億2000万円)。今年の74億2400万ウォンから26億8000万ウォン(36.1%)減少したことになる。
特に研究開発(R&D)分野である「海洋放射能調査および評価」事業費は、今年の44億6400万ウォンから来年は17億8200万ウォンに減る。
チームの業務内容に対して人員も不足している。放射能監視対応チームは▽データモニタリング▽専門家の現場派遣▽異常事態の発生確認▽韓国海域の監視▽入港する日本の活魚トラックの海水に対する放射能検査▽韓国での環境放射線監視器の設置および運営――などを担当しているのに、これらの業務を担う職員は4人に過ぎない。
国会科学技術情報放送通信委員会に所属する野党「共に民主党」のイ・ジョンホン議員は「昨年の放出後、放射能基準を超えるケースは確認されていないものの、監視を強化するという政府の方針とは矛盾している。仮にリスクをもたらす可能性があるならば、予算を増額するのが当然だ」と強調した。
同委員会によると、今年は初期インフラ構築のため多くの予算が必要だったが、来年度以降は運営に力点を置くため、おのずと予算が減るという。事業も韓国原子力安全技術院(KINS)に引き継がれるそうだ。
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