
韓国で相次いだ弾劾や非常戒厳令の宣布という激動の政局を経て、政治的成熟を遂げた20~30代の女性たち。彼女らにとって、巨大与党「共に民主党」は決して「信頼して票を投じる存在」ではなく、第一野党の「国民の力」は依然として「戒厳令の責任を説明できていない党」だった。
マネートゥデイ(the300)は、政治データ分析企業「オクソポリティクス」や「韓国女性議政」と共同で、オンライン上の膨大な世論をビッグデータ化。AI(人工知能)を用いて20~30代女性の典型的な意識を集約した7人の「仮想ペルソナ(分析用の人物像)」を構築し、座談会形式で彼女らの本音を探った。
浮かび上がったのは、既成の陣営論理に縛られず、自らの暮らしに直結する「生活政治」の視点から、与野党双方に厳しい批判を浴びせる冷徹なリアリズムだ。
◇民主党へは「期待と失望」が交錯
「共に民主党」に投票した層からも、手放しの賛辞はなく、むしろ失望の声が目立つ。
20代の未婚会社員(ソヨンさん)「民主党は選挙に勝った途端、自分たちが何を批判して勝利したのかをすべて忘れてしまう。国民の力は戒厳令の件で選択肢から消えたが、だからといって民主党側が候補者の検証や女性問題を適当に済ませていい理由にはならない」
新婚の共働き女性(ジミンさん)「口では庶民の味方だと言うが、実際に共働き世帯の家計簿を一度も見たことがないのではないか」
フリーランス(ナヨンさん)「弱者の味方を自任するが、私の通帳(経済状況)には何の恩恵も起きていない」
公企業に勤めるユジンさんや、1人暮らしのダウンさんらは「国民の力には入れられないから消去法で民主党を支持しただけ。党を丸ごと信頼したわけではない」と口をそろえ、票を得ながらも自分たちの真意に向き合おうとしない民主党の姿勢を批判した。
◇「国民の力」に付きまとう「内乱党」の影
一方、野党「国民の力」に対しては、非常戒厳令に絡む「内乱党」としての厳しい認識が根強く残る。
大邱(テグ)市民のスビンさんは「戒厳令を起こした政党には到底投票できなかった」とし、実績のある民主党候補を選んだと明かす。ハウンさんやナヨンさんも「戒厳令の夜には沈黙していたのに、選挙になると統合や協治(協力政治)を語る」「今なお謝罪の姿勢が見えない」と非難した。
その中で、あえて国民の力の候補を選んだソヨンさんも「党がよくやったからではない。戒厳令に同調した人間が残り、責任を果たしていないが、当面の地域の暮らし(雇用や住居など)を計算できる現実的な選択肢を選んだに過ぎない」と冷ややかに評価した。
◇どこにも所属しない「条件付きの票」
彼女らの言葉は、従来の政治不信を超えた新しい有権者像を示している。
「私が(民主党から)離脱したと言わないでほしい。最初からどこにも所属などしていない」(ソヨンさん)
「私の票は民主党への『支持』ではなく、『それでもあなた(他よりはマシ)』という条件付きだ」(スビンさん)
「ソウル(の選挙)で勝ったからといって、戒厳令の責任が清算されたわけではない」(ユジンさん、国民の力に向けて)
◇AI手法を用いた世論分析の背景
今回の分析は、非常戒厳令直後の2024年12月3日から約1カ月間と、地方選挙直前の2026年5月3日から約1カ月間の2つの時期を対象に実施した。
オンラインコミュニティ18カ所と、進歩・保守系の政治YouTube 22チャンネルから、計12万6000件超の投稿と約81万件のコメントを収集。このうち約1万3600件に対し、感情や重視する価値観、人口統計学的な手がかりなどAIによる「6次元のラベル」を付与し、3人の専門家によるクロスチェック(交差検証)を経て精度を高めた。
抽出されたデータをもとに、語彙や情緒の傾向を7つのスペックに分類。16問のインタビュー形式に再構成することで、実在の人物の発言以上に「20~30代女性の集合的な本音」を忠実に再現する仮想ペルソナが作成された。
(c)MONEYTODAY