2026 年 7月 2日 (木)
ホーム社会「デートDV」急増の背景、問われる初期介入…韓流元アイドルが被害告白、実効性ある法整備に遅れ

「デートDV」急増の背景、問われる初期介入…韓流元アイドルが被害告白、実効性ある法整備に遅れ

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韓国のアイドルグループ「ベイビーボックス」の元メンバーで、現在は歌手や俳優として活動するイ・ヒジンが、過去に交際相手から監禁や浮気、窃盗などの暴力を受けていたことをテレビ番組で告白し、波紋を広げている。韓国では近年、恋人関係などの間で発生する「交際暴力(デートDV)」が増加の一途をたどっているが、被害者保護や加害者処罰をめぐる制度的な対応の遅れが専門家から指摘されている。

◇3年で通報が5割超増加

交際暴力は、親密な関係において発生する身体的、精神的、性的、経済的な暴力や脅迫、行動統制などを広く指す。韓国警察庁の統計によると、交際暴力に関する112(日本の110番)通報は2021年の5万7305件から、2024年には8万8394件へと3年間で54.3%急増した。さらに、ストーカー関連の通報も2020年の4513件から2024年には3万1947件へと激増しており、深刻な社会問題となっている。

これほど関連犯罪が増加している背景について、専門家は「これらを個人間のプライベートな問題と見なす社会的認識の根強さ」と「不十分な制度的対応」を挙げる。現在、韓国には交際暴力そのものを直接取り締まる単独の処罰法が存在しない。そのため、事件が発生した際は暴行や傷害、監禁、脅迫といった行為ごとに刑法や個別の法律を適用して処罰しているのが現状だ。

◇凶悪化への「危険信号」

交際暴力は、ストーカー行為の過激化や殺人などの重罪に発展するリスクが極めて高い。国会立法調査処のホ・ミンスク立法調査官は「親密な関係での暴力を私的領域の問題と捉える認識が、犯罪の反復を許している。被害者が関係を断つ意思を示した際、国家が積極的に介入して安全に別れられる環境を整えるべきだ」と訴える。

また、支援団体「韓国女性の電話」女性人権相談所のキム・スジョン所長も「デートDVの通報や、別離後のストーカー行為は重要な危険信号だ。これらを看過せず、加害者への厳罰化と被害者保護措置を強化しなければならない」と強調する。

犯罪心理の専門家らは、加害者の歪んだ所有欲が根本的な原因だと分析する。プロファイラーのクォン・イルヨン氏は「相手を自分の所有物のように捉える認識が根底にあり、単に被害者が関係を終わらせれば解決するという単純な問題ではない」と指摘する。

また、同じくプロファイラーのピョ・チャンウォン氏も「連日のように多数の交際暴力が通報され、死亡事件も相次いでいる。ストーカー処罰や被害者保護制度はあるものの、加害者と被害者を実質的に隔離する仕組みは依然として不十分だ」と批判的な見解を示した上で、相手の携帯電話を監視しようとしたり、別れを理由に脅迫したりする兆候が見られた場合は、速やかに関係を解消するよう警鐘を鳴らしている。

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