
自動車の「未来」を体感する熱い夏が始まった――。「2026釜山モビリティショー」が6月26日、韓国・釜山のBEXCO(ベクスコ)で開幕した。「明日の道を開く」をテーマにした今年の展示は、単なる新車発表の場にとどまらず、電動化や人工知能(AI)、目的基盤モビリティ(PBV)といった最先端技術を来場者が直接体験できる空間へと進化した。
最も注目を集めたのは、世界初公開となった現代自動車のフルモデルチェンジ車「ディ・オールニュー・アバンテ」だ。同社の主力量販セダンであるアバンテの周囲にはカメラを手にした取材陣が殺到。運転席に乗り込んだ関係者らの視線は、14.6インチの大型ディスプレーに搭載された生成型AI「グレオAI」に注がれた。「少し肌寒い」「近くの美味しい店を探して」といった日常的な言葉にAIが即座に反応し、空調管理や検索サービスを実行。高級車から始まった同社の「ソフトウェア中心の車(SDV)」戦略が、大衆車クラスにまで浸透したことを印象づけた。
高級車ブランドのジェネシスは、アジア初公開の「マグマGTコンセプト」などを配し、モータースポーツの熱気を再現した。実際のレーシングカーのハンドルを握ってラップタイムを競うシミュレーター体験ゾーンには長蛇の列ができ、参加者の一喜一憂に歓声が上がった。また、起亜自動車は目的に応じて物流車やキャンピングカー、移動式オフィスへと姿を変えるPBV専用モデル「PV5」を展示。「車が生活と業務の空間になる」という近未来の日常を提示して来場者を惹きつけた。

海外勢の攻勢も目立つ。BMWグループコリアは、世界135台限定の「BMW 7シリーズ ネロ・ルッソ・エディション」を韓国初公開したほか、次世代電気自動車(EV)「ザ・ニューBMW iX3」などを披露した。
さらに会場を驚かせたのは、韓国の乗用車市場に本格参入した中国の比亜迪(BYD)だ。この日、プラグインハイブリッド(PHEV)の中型SUV「シーライオン6 DM-i」を韓国初公開し、事前契約を開始。その価格が3750万ウォン(約413万円)と発表されると、会場のメディアや競合他社関係者からは「予想を大きく下回る破格の安さだ」と驚きの声が漏れた。
先端AIで市場防衛を図る現代アバンテ、進化した空間価値で電気バン市場を狙う起亜PV5、そして圧倒的な価格競争力を武器にPHEV市場の開拓に乗り出した中国BYD。今年の釜山モビリティショーは、下半期の韓国市場における激しい主導権争いを予感させるものとなった。同ショーは7月5日まで開催される。
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