2026 年 6月 30日 (火)
ホームライフスタイル参鶏湯1杯2000円超も…韓国で進むスタミナ食の「家チキン」化、物価高でレトルト急成長

参鶏湯1杯2000円超も…韓国で進むスタミナ食の「家チキン」化、物価高でレトルト急成長

新世界フード(c)news1

夏の本格的な暑さを迎える「初伏」を約1カ月後に控え、韓国では夏のスタミナ料理(滋養食)の定番である鶏スープ「参鶏湯(サムゲタン)」の風景が様変わりしている。記録的な物価高の影響で専門店の価格が1杯2万ウォン(約2200円)に迫る中、店への足を遠のけた消費者が、自宅で手軽に楽しめるレトルトなどの簡便食やフライドチキンで夏を乗り切る「家チキン」需要が急増。食品業界も専門店並みの品質をうたった新商品を相次いで投入し、商戦を活発化させている。

韓国の食品大手、新世界フードでは、2026年3~5月の参鶏湯簡便食の販売量が前年同期比で38%増加した。例年以上の早期の猛暑も手伝い、5月単月では前年比55%増を記録している。同社はスーパーフードを取り入れた新商品を発売するなどラインアップを拡充。オンラインでの販売価格は1パック1万ウォン(約1100円)以下と専門店の半額程度に抑え、セット購入による割引などで消費者の財布の紐を緩めている。また、老舗のオットギも高級食材を使用したプレミアムな参鶏湯を投入し、自宅で本格的な味を楽しみたい40~50代の需要を掘り起こしている。

この動きは参鶏湯にとどまらず、フライドチキンやタッカルビといった幅広い鶏肉メニューへも波及している。ジェネシスBBQグループの今年1~3月期の家庭向け流通部門の売上高は前年同期比で約2倍に成長し、販売チャンネルも大幅に拡大した。さらにCJ第一製糖が立ち上げた冷凍チキンの独立ブランド「ソババ」は、発売からわずか3カ月で累計売上高60億ウォン(約6億6000万円)を突破。累計販売数が2500万袋を超えるなど、いまや家庭用冷凍チキンの代表格として市場を牽引している。

市場急成長の背景には、かつて「手抜きの代替食」と見なされていたレトルトや冷凍食品の劇的な品質向上がある。メーカー各社が研究を重ね、専門店の味に劣らないクオリティーを実現したことで消費者の意識が変化した。加えて、油を使わずに調理できるエアフライヤーの普及や、調理の手間を省きたい単身世帯の増加といったライフスタイルの変化も追い風となっている。

何より最大の要因は深刻な物価高だ。韓国消費者院の調査によると、ソウル地域における参鶏湯1人前の平均価格は現在1万8150ウォン(約2000円)に達しており、有名専門店では2万ウォンを超えるケースも珍しくない。さらに原材料となる肉用鶏の出荷価格も前年平均から約18%高騰しており、外食・内食ともに価格負担が増している。かつては参鶏湯や水炊きを店で食べるのが一般的だった夏の風物詩だが、若い世代を中心にチキンやチムタク(鶏の煮込み料理)など選択肢が多様化しており、利便性と経済性を前面に出した家庭向け鶏肉市場の競争は今後さらに激化するとみられる。

(c)MONEYTODAY

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