
韓国通貨のウォン相場が歴史的な安値水準に落ち込んでいる。韓国銀行(中央銀行)の統計によると、2026年4~6月期(第2四半期)のドル・ウォン相場の平均(4月1日~6月26日の週末終値基準)は1ドル=1500.1ウォンとなり、節目となる1500ウォンを超えたことが分かった。四半期の平均で1500ウォン台を記録するのは、アジア通貨危機直後の1998年1~3月期(1596.8ウォン)以来、約28年ぶり。外国人投資家による大規模な韓国株の売りや、世界的なドル高・円安が重なっており、市場ではウォン安圧力が当面続くとの見方が強まっている。
今回のウォン安水準は、世界金融危機で相場が急騰した2009年1~3月期(1418.3ウォン)や、中東緊迫化の影響を受けた今年1~3月期(1466.9ウォン)と比べても一段と深刻だ。市場では29営業日連続で1ドル=1400ウォン台を割り込んでおらず、慢性的なウォン安が定着しつつある。
ウォン安を加速させている最大の要因は、外国人投資家による韓国株の大量売却だ。外国人は今年に入り、6月26日までに136兆7841億ウォン(約15兆円)相当の株式を売り越した(買いより売りが多い状態)。6月だけで約37兆ウォン(約4兆700億円)近くが流出している。
この流出額は、韓国銀行が予測する今年の経常収支黒字(2500億ドル=約39兆5000億円)の規模と比べても巨額だ。韓国経済が貿易などで稼ぎ出す外貨よりも、株の売却によって海外へ流出する外貨の勢いの方が上回っている格好だ。証券業界では、外国人が今後さらに100兆~150兆ウォン規模の売り越しを進める余力があるとみており、警戒感が強まっている。
米国の根強いインフレもドル高(ウォン安)に拍車をかける。主要通貨に対するドルの強さを示すドル指数は6月24日に約13カ月ぶりの高水準を記録。25日に発表された米国の5月個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率が4.1%と、約3年ぶりの高水準となったことで、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが遠のいたとの見方が広がった。
さらに、隣国・日本の「円安」も連鎖している。ドル・円相場は25日に1ドル=161円台後半まで下落し、約2年ぶりの円安水準となった。日本銀行は6月16日に利上げ(政策金利を1%程度へ引き上げ)に踏み切ったものの、日米の金利差は依然として大きく、円安の流れを止められていない。これが東アジア通貨全体の弱さにつながっている。
今後の見通しについて、ハナ証券のチョン・ギュヨン研究員は、米国経済の好調さを背景に「当面はウォン安圧力が強まりやすい」と指摘する。さらに、韓国企業の活発な対米投資に代表される、構造的なドル流出も続いていることから、「米国との通貨スワップ(通貨交換)協定の締結など、米韓が共同で為替を安定させる努力が不可欠だ」と提言している。
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