2026 年 6月 29日 (月)
ホーム社会初期費用「200万円節約」の例も、韓国で人気沸騰の「森の結婚式」…公共の格安式場に若者が殺到する

初期費用「200万円節約」の例も、韓国で人気沸騰の「森の結婚式」…公共の格安式場に若者が殺到する

21日午前、ソウル道峰区の国立公園公団北漢山生態探訪院で結婚式を挙げる夫婦(c)MONEYTODAY

うっそうとした木々に囲まれ、清流のせせらぎが心地よく響き渡る会場。21日午前、ソウル市道峰区の北漢山生態探訪院で、30代のカップルによる「森の結婚式」が開かれた。家族によるダンスや歌のパフォーマンスが披露され、招待客の笑い声が絶えないアットホームな宴の様子に、近くを通りかかった登山客たちも思わず足を止めて見守っていた。

交際1周年を機に挙式したこの夫婦は、春に国立公園公団の募集告知を見て応募したという。家族中心の少人数婚を希望していた2人にとって、この選択は大正解だった。新郎は「豊かな自然の中で式を挙げられる点が最大の魅力だった。周囲からも羨ましがられる」と笑顔を見せる。

この「森の結婚式」は、国立公園公団が若年層の経済的負担を軽減するため、2021年から実施している支援事業だ。選ばれたカップルには挙式費用として700万ウォン(約77万円)が支援され、当事者が負担するのは食事代や返礼品などの実費のみ。この日会場を彩った生花や写真撮影の費用も、公団の提携業者が提供したため、夫婦の自己負担はゼロだった。

圧倒的な低コストでありながら、オリジナリティーのある演出ができるとあって、結婚を控えたカップルの間で人気が沸騰している。2026年度は50組限定の枠に対し、予約申請の受付開始からわずか1分で締め切られたという。実際に利用したカップルの満足度も極めて高く、同年の調査では全カップルが「費用削減に役立った」と回答した。

11月に同会場で挙式を予定している30代の男性は、「民間の式場と比べると、会場費や食事代などでベースとなる費用が少なくとも2000万ウォン(約220万円)は浮く。屋外婚への憧れもあったが、この合理的な価格が決め手になった」と明かす。

韓国国内の婚姻件数はここ3年連続で増加傾向にあるものの、結婚費用の高騰は深刻な問題だ。韓国消費者院の4月の集計によると、全国の平均結婚サービス費用は2141万ウォン(約236万円)に達する。さらにソウルの江南圏と地方都市の釜山では平均額に2000万ウォン以上の開きがあるなど、地域格差も大きい。しかも、この数字は会場費や食事代といった基本料金のみを反映したもので、衣装代やオプションなどを加えた実際の負担感はさらに膨らむ。政府による価格表示制などの是正策も導入されてはいるが、現場のカップルからは「実効性を感じにくい」との声が漏れる。

こうした背景から、自治体や公共機関が提供するブライダル支援サービスへ需要が爆発的に集中している。ソウル市が運営する公共結婚式場の予約件数はここ4年で7.3倍に急増。2026年秋から新たに開放される国立古宮博物館の屋外式場も、想定以上の応募が殺到したため、急遽当選枠を12組追加する対応に追われた。

専門家からは、若者のニーズに合わせた公共支援の拡充を求める声が上がっている。成均館大学社会学科のク・ジョンウ教授は「実用性やコストパフォーマンスを重視する現在の若い世代にとって、負担の少ない公共サービスは非常に魅力的だ。結婚式の形式にこだわらない柔軟な社会的価値観の変化も、人気を後押ししている」と分析する。その上で、「利用対象に一律の所得制限を設けないことで、『困窮者向け』というネガティブなイメージ(スティグマ効果)を排除できる。これまで高齢層に偏りがちだった福祉政策を、若い世代の生活支援へと広げていく視点が必要だ」と指摘している。

(c)MONEYTODAY

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