2026 年 6月 23日 (火)
ホーム政治実父からも配偶者からも暴力、それでも助けてもらえない…韓国で法整備を急ぐ「境界知能者」救済の現実

実父からも配偶者からも暴力、それでも助けてもらえない…韓国で法整備を急ぐ「境界知能者」救済の現実

(c)AP/NEWSIS/MONEYTODAY

家庭内暴力の被害に遭った20代の「境界知能」の女性が、保護施設に適応できずSNSを通じて見知らぬ男性らと接触し、別の危険にさらされる事案があった。知能指数(IQ)が障害者基準を上回るため法的支援を受けられず、一般の保護網からもこぼれ落ちる境界知能者の「制度の死角」が浮き彫りになっている。

韓国京畿道の警察署などによると、富川に住む女性は5月、スマートフォンのチャットアプリに「一晩泊めてくれる人を探している」と投稿。応じた40〜50代の男性らから飲食の提供を受け、宿泊先へ連れ去られそうになったが、通行人の通報により警察に保護された。

女性は別れを切り出した事実婚の配偶者から暴力を受けたほか、実父からも暴行されており、警察を通じて家庭内暴力の被害者保護施設に入所したばかりだった。しかし、施設生活になじめず、周囲に頼れる家族もいなかったためネット上で居場所を探したという。

「遅い学習者」とも呼ばれる境界知能者は、知的障害の基準(IQ70以下)には該当しないものの、平均より低いIQ71〜84程度の人を指す。認知や学習、意思疎通の能力が相対的に低く、人生のあらゆる局面で困難を経験しやすいとされる。

法的障害者に該当しない女性は、専門的な特化施設ではなく一般のシェルターに一括して送られた。支援団体関係者は「狭い空間での共同生活は意思疎通が苦手な境界知能者にとって負担が大きく、適応できずに自立を断念するケースは少なくない」と指摘する。

専門家からは、福祉の法体系の中で境界知能者を明確な支援対象に含めるべきだとの声が上がる。大邱大のパク・ジョンシク教授(特殊教育学)は「法的根拠が不十分なため、実質的な支援が行き届いていない。国会レベルでの法整備を進めなければ、同様の被害者が再び危険にさらされる構造は変わらない」と法制化の必要性を訴えている。

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