
ウズベキスタンのサマルカンド旧市街を歩きながら、現地ガイドに尋ねた。「最近、物価はかなり上がりましたか」。数年前から上がっていたが、戦争後さらに急になったという。ガソリン、軽油、ガスなどエネルギー価格はもちろん、生活必需品や食料品の価格も大きく跳ね上がったという。ビールのつまみとしてよく食べるピスタチオの価格は最近2倍になったそうだ。「昔は100ドル(約1万5500円)なら大金だったが、今は2人家族が数日分の買い物をすれば終わりです」。そう話す語尾には苦笑いがにじんだ。
中央アジアの資源大国であるウズベキスタンでも、物価の衝撃は例外ではなかった。ガス埋蔵量は豊富だが、需要に追いつかず、ロシアとトルクメニスタンから輸入している国だ。国内消費用ガソリンの大半もロシアから入ってくる。中東戦争が世界のエネルギー供給網を揺さぶり、シルクロードの中心都市にも影響を及ぼしていた。
サマルカンドでアジア開発銀行(ADB)年次総会が開かれた。日本、韓国、中国とASEANの財務相、中央銀行総裁らが一堂に会し、話題はやはり中東戦争だった。現場で会ったク・ユンチョル(具潤哲)副首相兼企画財政相、ユ・サンデ(柳相大)韓国銀行副総裁、ADBチーフエコノミストのアルバート・パク氏の話も中東戦争に集中した。
雰囲気は重かった。
アルバート・パク氏はADBの新たな分析報告書を示し、まず警告を発した。中東戦争が終わっても、原油価格はしばらく高い水準を維持するという。カタールのラスラファン液化天然ガス(LNG)施設の復旧だけで3~5年かかる。単なる一時的衝撃ではないというのがADBの診断だった。ク・ユンチョル氏が懇談会の間ずっと「中東戦争がどれほど早く終わるかがカギだ」と繰り返した理由が理解できた。終わっても終わりではない戦争だった。
韓国には二重の衝撃が予告された。アルバート・パク氏は、ADBの基本シナリオを基準に、韓国の成長率が4月の見通し(1.9%)より最大0.9ポイント低下する可能性があるとした。半導体の好調が慰めになるかと思われたが、それも中東戦争から自由ではないという。
アルバート・パク氏は「半導体生産過程にも中東産原材料が最大8種類投入される。紛争が長期化すれば、半導体供給拡大も制約される可能性がある」と警告した。韓国が中東の衝撃に耐える支えだと信じていた半導体さえ、同じ危機にさらされていた。
ユ・サンデ氏の発言はさらに重かった。「利下げを止め、利上げ局面への転換を考慮する時が来た」。ソウルではなくサマルカンドで、シン・ヒョンソン(申鉉松)新総裁の代わりに出席した副総裁の口から、金融政策の方向転換を示す信号が出た。物価を抑えるには金利を上げなければならず、金利を上げれば成長はさらに鈍る。中東戦争が作り出したジレンマだ。
最高価格制をいつ終えるのかという質問に、ク・ユンチョル氏は「中東情勢にかかっている」と答えた。補正予算も、最高価格制も、金利政策も、結局は中東戦争一つに縛られている。アルバート・パク氏は、エネルギー補助金政策を維持する国々にも警告した。「補助金で消費者を保護する国々も、結局は価格を上げるか、財政をさらに使わざるを得ない状況に直面します。請求書は後から来ます」
ADB年次総会が開かれる間、市場ではむしろ終戦への期待感が高まった。トランプ米大統領は停戦合意の可能性を楽観し、国際原油価格は急落して2週間ぶりの安値に下がった。あす戦争が終わっても、さらに続いてもおかしくない状況だ。
しかし、インフラ復旧には数年がかかり、エネルギー市場はすでに構造的に変わった。ウズベキスタンの現地ガイドは「それでも韓国よりは物価の上がり方が小さいようだ」と話した。戦争が終わっても、物価とエネルギー市場の不安はかなりの期間続く可能性が高い。【news1 チョン・ミン記者】
(c)news1