
米国がイラン空襲後、停滞する終戦交渉の中で、国際社会にホルムズ海峡での商船航行を目的とした「海洋自由構想」(MFC)への参加を求めている。
韓国は、米国とイランの終戦を前提に、英国とフランスが主導する多国籍軍への参加問題を主要国と協議してきた。そこに米主導のMFCが新たな変数として浮上した。
イ・ジェミョン(李在明)大統領がホルムズ海峡の航行再開に向けた「実質的寄与」に言及しており、韓国が何らかの形で参加する可能性が出ている。ただ、イランとの関係や国際社会の対米認識を考慮すれば、「終戦」という前提が満たされるまでは慎重な対応が続くとの見方が強い。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米国務省は4月28日、各国駐在の大使館に対し、MFC参加を駐在国政府に要請するよう指示した。米国主導のMFCは、ホルムズ海峡での商船航行のため、参加国間の情報共有、外交調整、対イラン制裁などを進める連合体だ。MFCでは米国務省が外交を、米中央軍が各国軍当局間の情報共有をそれぞれ調整する見通しだ。
米国のMFC構想は、国際社会への参加要請が一度事実上拒まれた後、再び進められているものだ。3月のイラン空襲当時に示された構想とは異なり、今回は米国とイランの停戦および終戦交渉が続く中で提示された点に違いがある。
トランプ米大統領は3月、SNSでイランによるホルムズ海峡封鎖に対応するため、日本、韓国、英国、フランス、中国など7カ国に軍艦派遣を要請した。米政権は北大西洋条約機構(NATO)加盟国にも参加を求めたが、ドイツ、スペイン、イタリアなど欧州主要国やオーストラリアは派兵しない立場を表明し、韓国も特別な立場を示さなかった。
米国とイランは4月7日に2週間の停戦に入り、トランプ大統領が停戦延長を宣言したことで中東での砲声は止まった。しかし、終戦交渉は1カ月にわたり進展せず、ホルムズ海峡の封鎖と米国の逆封鎖で原油価格の上昇が続き、国際社会の圧力が強まっている。
英国とフランスは、戦争当事国である米国を除いた形で終戦交渉の妥結を促す一方、終戦後のホルムズ海峡管理に向けた多国間協力モデルを準備している。フランスは3月26日に35カ国の軍首脳が参加するオンライン会議を開き、英国は4月2日に40カ国余りの外相によるオンライン会議を開催した。両国はさらに4月17日、40カ国余りと国際機関が参加する「ホルムズ海峡通航オンライン首脳会議」を開き、終戦後の航行に向けた外交・軍事協力策を協議している。
米国のMFCは、ホルムズ海峡封鎖を解消すると同時に、国際社会の参加を引き出し、終戦交渉で優位に立とうとする戦略的構想と解釈されている。米国は1回目の終戦交渉が決裂すると、海軍艦艇を投入してイランがホルムズ海峡に設置した機雷の除去に着手し、ホルムズ海峡のすべての船舶を統制する「逆封鎖」に入った。
トランプ大統領は、逆封鎖による原油輸出阻止などの経済的圧力が、終戦交渉でイランから封鎖解除などの譲歩を引き出せるとみて、圧力を強めている。欧州駐留米軍の撤収や関税問題に相次いで言及していることも、封鎖効果を最大化するための同盟国への圧力戦略とみられている。
イ・ジェミョン大統領は4月17日、英国とフランスが主導する「ホルムズ海峡自由航行首脳会議」に出席し、「航行の自由に実質的に寄与する」と述べ、最近取り沙汰されている多国籍軍への参加意思を示唆した。ただ、韓国軍の装備や部隊が中東地域に実際に投入された状態ではない。
韓国政府は米国のMFC参加問題に慎重な立場を取っている。戦争地域への軍事的関与は国会の同意と国民的な理解が必要な事案だからだ。
国防省は「国際法と国際海上交通路の安全、韓米同盟および朝鮮半島の安全保障状況、国内法上の手続きなどを総合的に考慮しており、MFC参加に関するわが国の立場を慎重に検討する」としたうえで、「ホルムズ海峡の安全な通航保障に向けた国際社会の協力協議に積極的に参加している」と説明した。
アン・ギュベク(安圭伯)国防相は、ホルムズ海峡で想定される韓国軍の役割について、「作戦範囲を広げることは国会同意が必要な事項ではないと判断しているが、別の任務が与えられれば国会同意が必要になる」と述べた。また「英国とフランスが関連協議を主導しており、韓国も参加する意思を表明したことがある」とし、商船封鎖が長期化した場合に備え、軍投入などの対応計画を4段階で準備していると説明した。
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