
北朝鮮の寧辺核施設内の建物で、再び蒸気排出の兆候が捉えられた。プルトニウム生産に向けた核燃料再処理活動に伴うものとみられ、北朝鮮が核物質生産を続けているとの見方が強まっている。
米政府系放送局の自由アジア放送(RFA)は4月30日、米商業衛星プラネット・ラボが4月20日に撮影した衛星写真で、寧辺核施設団地内の放射化学実験室から蒸気が排出される様子が確認されたと報じた。
この実験室は核兵器の原料となるプルトニウムを抽出する施設で、18日にも蒸気排出が観測されていた。RFAは、北朝鮮がプルトニウム生産のため、核燃料の照射や再処理活動を断続的に進めていることを示す状況の一つと解釈した。
RFAが2026年1月から寧辺一帯の高解像度衛星写真を確認したところ、冷却水が排出される様子が継続的に捉えられていたという。3月12日と4月25日に撮影された衛星写真では、5メガワット原子炉から冷却水が寧辺核施設近くの九竜江へ排出される様子が確認された。
RFAは「冷却水の排出は、プルトニウム生産のため原子炉が稼働中であることを示す指標であり、北朝鮮が原子炉をほぼ毎日稼働させている事実が衛星写真で確認された」と分析した。
ただ、国際原子力機関(IAEA)事務次長を務めたハイノネン氏(米スティムソン・センター特別研究員)は「数週間、または1カ月以上にわたって蒸気排出が続けば、実際に核燃料再処理を通じたプルトニウム抽出が進んでいることを示すが、短期間だけ蒸気が観察されたのであれば、単に廃棄物を移送している可能性もある」と述べた。
北朝鮮が寧辺核施設団地の各所でさまざまな建設工事を進めてきたことは、これまでにもたびたび確認されており、寧辺は依然として北朝鮮の第1核団地として機能しているとみられる。衛星写真によると、新たなウラン濃縮施設と疑われる青い屋根の建物は、2025年11~12月に外部工事を終えた。
その後、2025年12月末から2026年2月初めまで、この建物には周辺の建物と異なり雪が積もらない様子が確認された。専門家らは、建物に電力が供給され、内部で工事が進んでいる可能性を示すものだと診断している。
3月には、放射化学実験室内にある2棟の屋根が交換された。このうち一つは使用済み核燃料を一定期間冷却して保管する場所、もう一つはプルトニウム実験室とつながる建物と推定された。
ハイノネン特別研究員は特に、寧辺核施設団地の南側にある燃料棒製作建物群の変化に注目すべきだと強調した。この区域には新たに少なくとも4棟の建物が建てられており、そのうち1棟はフェンスで他の建物と分離されていることから、極めて重要な施設である可能性を示しているという。
具体的にどのような活動が進んでいるかは分からないが、核物質と核兵器部品をさらに多く生産しようとするキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の計画と関連していると、ハイノネン特別研究員は指摘した。
また、寧辺周辺の住民地域にも新しい高層建物や住宅が多数建てられた。これは寧辺核施設団地内の建設工事に投入された技術者や労働者の臨時宿舎である可能性があり、寧辺核施設の活発な動きを支えるものとみられる。
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