2026 年 4月 25日 (土)
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韓国東海岸の医療空白…広域中核担う病院が支援対象外、制度設計と現場ニーズの乖離浮き彫り

江陵峨山病院の広域救急医療センター(c)news1

韓国江原道の東海岸と慶尚北道北部の重症・救急患者を事実上支えている江陵峨山病院が、広域責任医療機関の支援体制の外に置かれている。嶺東圏で唯一の上級総合病院として最終治療拠点の役割を担っているが、民間病院であることを理由に政府の財政支援から除外されているためだ。

地域医療界によると、江原地域は太白山脈を境に嶺西と嶺東の医療圏が事実上分断されている。山岳地形の影響で重症・救急患者を他地域へ搬送することが難しく、地域内で治療を完結する必要性が高い。特に心臓や脳血管疾患のように迅速な対応が求められるケースでは、地理的制約が大きな影響を及ぼす。

こうした状況にもかかわらず、制度設計との間には大きな乖離がある。現在、全国の広域責任医療機関は17カ所あるが、江原道では春川の江原大病院1カ所のみが指定されている。一方、面積が近い忠清圏では4カ所が指定されており、地域の実情との不一致が指摘されている。

その空白を埋めているのが江陵峨山病院だ。同病院は高城から三陟、さらに慶尚北道蔚珍や盈徳に至る広域診療圏の重症・救急患者を受け入れる、事実上の最終治療拠点となっている。

しかし、民間病院であるため支援対象から外れており、政府が2026年に広域責任医療機関に投じる約1兆1000億ウォン規模の予算の恩恵を受けられない状況にある。

一方で医療需要は増加している。観光データラボによると、2025年に東海岸6市郡を訪れた人数は1億1336万人を超え、慶尚北道北部まで含めると約1億3290万人に達した。流動人口の増加に伴い、救急医療の需要も急増しているとみられる。

こうした中、現場の負担は一層重くなっている。江陵峨山病院では医療陣の定員約320人に対し、実際の勤務人員は約7割にとどまり、救急患者の後方診療体制が十分とは言えない状況だ。

医政対立後の影響や首都圏への人材流出、地域定着の難しさが重なり、人材確保はさらに困難になっているという。

医療界からは、公立と民間を単純に分ける現行制度の限界を指摘し、実際に必須医療を担う機関を中心に支援体制を再構築すべきだとの声が上がっている。

(c)news1

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