
韓国のグループ「BTS(防弾少年団)」がソウル・光化門広場で開いたカムバック公演をめぐり、観客数の推計が機関ごとに大きく食い違い、議論を呼んでいる。
主催のHYBEは約10万4000人と発表した一方、ソウル市は約4万8000人、警察は約8万人、行政安全省は約6万2000人と、それぞれ異なる数値を示した。最大で2倍以上の差が生じている。
この差の背景には、各機関が用いる通信データの分析方法の違いがあると指摘されている。
ソウル市は通信会社の基地局データや高精度の位置解析技術を用い、50メートル四方単位で人の流れを細かく分析する。建物内の人員なども分離して算出するため、比較的控えめな数値になりやすい。ただ、海外ファンが使用するローミング端末やプリペイド携帯のデータは反映されない場合があり、外国人観客が多いイベントでは過小評価につながる可能性がある。
一方、HYBEは会場周辺の広い範囲を対象に設定し、特定時点の人数ではなく、イベント前後を通じて滞在した端末を合算する累計人数で算出したとみられる。最大値に近い数値となる。
さらに、通信会社の市場シェアをもとに全体人数を推計する補正手法にも限界がある。特定のファン層や外国人が集中する現場では、一般的な比率が当てはまらず、誤差が拡大する可能性が高い。
警察はAI防犯カメラと面積当たりの密度計算を組み合わせている。行政安全省は建物内も含めた接続データを合算するなど、それぞれ異なる手法を採用した。
今回の混乱は、どこまでを観客とみなすかという定義の違いが結果に大きく影響することを浮き彫りにした。業界関係者は「同じ通信データでも処理方法によって数値は変わる。大規模イベントでは統一的な算定基準が必要だ」と指摘している。
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