
ソウル市江北区で発生したモーテル連続殺人事件を巡り、キム・ソヨン被告が取り調べの中で「ここにいるのが怖い。無期懲役になる気がする。母に会えなくなるのが怖い。弁護士もおらず不安だ。母の手料理が恋しい」などと、不安や恐怖を訴えていることが明らかになった。
事件は1月29日、江北区のモーテルで20代男性が死亡しているのが見つかったことで発覚した。その12日後の2月10日にも、近隣の別のモーテルで同年代の男性の遺体が発見された。司法解剖の結果、いずれの被害者からも向精神薬であるベンゾジアゼピン系薬物が過剰に検出された。捜査の過程で、2つの事件に共通して関与した人物として浮上したのがキム・ソヨン被告だった。
被告はSNSで知り合った男性とモーテルに入り、薬物を混ぜた飲料を渡して意識を失わせた後、その場を離れていたとみられている。自宅からは大量の錠剤や飲料容器などが見つかった。さらに、最初の事件後には薬物の量を増やしていたほか、睡眠薬とアルコールの作用について調べていた形跡も確認された。
取り調べに対し、被告は「2025年8月に性的被害を受けたが、訴えても信じてもらえなかった」と主張し、犯行の動機との関連を示唆する発言もした。一方で、複数の被害者に薬物を飲ませた理由については「怖くて眠らせようとしただけ」と繰り返し、明確な説明は避けているという。
専門家はこうした供述について「外傷後ストレス障害の典型的な行動とは異なる面がある」と指摘。そのうえで「被害者への言及や共感が乏しく、自身の感情や欲求にのみ焦点が当たっている」と分析している。
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