2026 年 3月 11日 (水)
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ソウル自殺率に地域格差…最大1.85倍、一人暮らしと高齢化が背景

ソウル市精神健康統計(c)news1

ソウルの行政区ごとに自殺率の差が大きく広がる「二極化」が表面化し、自殺予防政策が6月のソウル市長選挙の福祉分野の主要争点として浮上する可能性が指摘されている。

統計庁の「2024年死因統計」によると、人口10万人当たりの自殺率は行政区によって大きく異なる。最も高かったのは衿川区の30.2人で、冠岳区と鍾路区がそれぞれ29.2人で続いた。江北区(28.9人)、中浪区(28.3人)も高い水準だった。

一方、瑞草区は16.3人、永登浦区は16.4人と比較的低かった。最も高い衿川区と最も低い瑞草区の差は約1.85倍で、同じソウルでも地域によって自殺の危険度に大きな開きがあることが分かる。

こうした格差は人口構造や社会経済的条件とも関係しているとみられる。自殺率が高い冠岳区、中浪区、衿川区は一人暮らし世帯の割合が高い地域として知られる。2024年の統計では、冠岳区の一人暮らし世帯は15万3605世帯でソウル最多だった。中浪区は6万9149世帯、衿川区は5万3858世帯、江北区は5万3705世帯だった。

一人暮らしは家族との日常的な関係が弱く、社会的孤立を経験する可能性が比較的高いため、自殺の危険要因と関連する可能性があると指摘されている。

高齢者の割合が高い地域でも自殺率が高い傾向が見られた。住民登録人口統計によると、自殺率が高い江北区では65歳以上の高齢者が人口の23.2%を占め、ソウル25区の中で最も高い。鍾路区(21.7%)と中浪区(21.2%)も超高齢社会の基準とされる20%を超えている。

一方、瑞草区(17.7%)や永登浦区(18.6%)は高齢者の割合が比較的低い。高齢者が多い地域では、配偶者との死別や健康悪化、社会関係の断絶など複数の要因が重なり、自殺の危険が高まる可能性があると分析されている。

また、自殺には事前の警告サインが現れるケースが多い点も政策対応の重要な要素とされる。保健福祉省と韓国生命尊重希望財団の「2024年心理解剖面談結果報告書」によると、自殺で亡くなった人の99.3%が死亡前にうつ症状や自殺に関する言及、睡眠の変化などの兆候を示していた。しかし周囲がそれを認識していた割合は20.1%にとどまった。

また、自殺死亡者の64.3%は死亡の3カ月前までに医療機関や相談機関を訪れていた経験があった。

安全生活実践市民連合のイ・ユノ事務局長は「一人暮らし世帯の増加や地域の福祉制度、財政自立度、失業率など社会経済条件が複合的に作用する」と指摘し、「自治体が優先政策として先手を打たなければ社会的空白が自殺問題につながる可能性がある。地域ごとの体系的な研究と自治体への支援が必要だ」と述べた。

(c)news1

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