2026 年 3月 4日 (水)
ホーム政治韓国で「スーツ型制服」廃止へ…高価格構造が生んだ“家計破壊”の実態

韓国で「スーツ型制服」廃止へ…高価格構造が生んだ“家計破壊”の実態

ソウル市松坡区の「分かち合い制服店」(c)news1

高価格をめぐる論争に包まれてきた「スーツ型制服」が、韓国の学校現場から姿を消す見通しとなった。教育省が生活服や体操服への転換を正式に推進する方針を打ち出し、スーツ型制服は段階的に縮小へ向かう。かつては「学校の象徴」ともいわれたスーツ型制服だが、保護者の経済的負担を増やす存在として“家計破壊”とまで指摘されるようになった。その背景には、長年にわたる価格上昇と構造的な問題がある。

教育省は2月26日、制服価格の改善と管理強化策を発表した。スーツ型から生活服・体操服へ転換する内容を盛り込み、学校単位での見直しを後押しする方針を示した。

現在、制服として用いられているのはスーツ型の正服、生活服、体操服などで、このうち価格の大半を占めるのが正服とされる。正服を廃止すれば、制服費用の大幅な削減が可能になるとの見方が強い。

実際にスーツ型を廃止したソウル市鍾路区のある高校では、冬・夏服一式が 7万4000ウォン(約7840円) に抑えられている。これはソウル市の入学支援金 30万ウォン(約3万1800円) を大きく下回る水準だ。

また、2026年からスーツ型をやめて生活服に切り替えた京畿道金浦市の雲陽中学校では、冬・夏服やフード付き上着など計9セットを京畿道の制服支援金 40万ウォン(約4万2400円) の範囲内で提供し、実質無償化を実現した。

スーツ型制服は、導入と廃止を繰り返してきた歴史を持つ。現在に近い形は1920年代に登場し、1980年代初頭まで続いた。1983年の制服自由化政策で多くの学校が廃止したが、逸脱行為の増加や私服購入による家計負担増を理由に、約3カ年で復活した。

2000年代に入ると、画一的だったデザインに個性が加わり、「制服もファッション」という認識が広がった。体のラインを強調するデザインや多彩な色使いが増え、価格上昇はこの頃から本格化した。

当時、主要ブランドは人気アイドルを起用し、新デザインや高級生地を前面に打ち出した広告を展開した。複数の流通・製造段階を経る過程で価格は膨らみ、入札談合も発覚。2006年には冬服一式が 25万ウォン(約2万6500円) に達し、スーツ1着に匹敵する水準となった。

その後20年が過ぎても価格構造は大きく変わっていない。学校ごとに異なるデザイン、複雑な流通過程、輸入生地の使用などが依然として値上がり要因となり、談合問題も完全には解消されていない。

さらに「高いだけでなく動きにくい」との不満も根強い。入学式や卒業式でしか着用しない存在になりつつあり、日常では活動性の高い生活服や体操服を好む生徒が増えていることも、廃止の流れを後押しした。

教育省のソル・セフン企画調整室長は「教育省が方針を示しても一律でなくなるわけではなく、最終判断は各教育庁や学校に委ねられる」と説明。その上で「活用度が低く購入負担も大きい現状を踏まえ、教育庁と協力しながら廃止を促していく」と述べた。

(c)news1

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