2024 年 5月 11日 (土)
ホーム社会韓国で相次ぐ「凶器で無差別に人を襲う」行為…専門家「一種の先進国型犯罪」

韓国で相次ぐ「凶器で無差別に人を襲う」行為…専門家「一種の先進国型犯罪」

「無差別凶器暴動」事件現場で、犠牲者を追悼する市民(c)news1

凶悪犯罪は人口10万人当たり68件発生し、過去10年間で19.9%増加した。殺人事件のうちナイフを使ったのは53.4%――。韓国で最近、凶器で無差別に人を襲う事件が相次ぎ、市民を恐怖に陥れている。専門家は一種の先進国型犯罪と分析。社会への怒りを表出し、強烈なメッセージを投げかけるのが目的だと説明している。

ソウル市冠岳区新林洞の商店街の路地で先月21日、30代の男性が凶器を振り回して1人が死亡、3人が負傷した。

現場近くの花屋の従業員は「昼食のためよくここを通り、家族でもよく来る所だった。驚き、不安だ」と話した。ある20代男性は「事件当夜、近くでアルバイトをしていた。退勤する時は怖くてタクシーに乗った」という。

白石(ペクソク)大学警察学部のキム・サンギュン教授は「以前は話し合いで解決したことが、最近は怒りの爆発につながっている。凶器の使用は本人の攻撃性をよく表現できる手段だ」と指摘する。東国(トングク)大学警察行政学科のクァク・デギョン教授は「社会に対する恨みと怒りを表す時、相手を制圧する過程で凶器を使う犯罪が増えた」とみる。

韓国矯正福祉学会が発刊した論文「韓国型怒り犯罪の原因と対応策に関する研究」によると、「怒り犯罪」は先進国型犯罪に分類される。社会の発展に伴い広がる貧富格差への怒りと、複雑化する社会構造に適応できない自壊の気持ちなどにより発生する。

新林洞の死傷事件の容疑者は、警察の調べに「私が不幸なので、他人も不幸にしたかった」と供述したという。

論文は「怒りの犯罪を、個人の怒りや逸脱と見るのではなく、社会的問題とみる必要性がある」と指摘している。こうした凶悪犯罪を予防するためには、セーフティネット構築が不可欠だというのが専門家の共通した見解だ。

(c)news1

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