2024 年 5月 8日 (水)
ホームライフスタイル草花がよく育つ、人工日光の極意

草花がよく育つ、人工日光の極意

済州道BOROMWATに設けられたソウル半導体のLEDサンライク照明(ソウル半導体提供)©MONEYTODAY

グローバル市場における発光ダイオード(LED)照明の新たなキーワード――それは植物照明だ。新型コロナウイルス感染により在宅消費が急増し、巣ごもり市場が拡大。これに伴って太陽がなくても植物を成長させられる植物用LED照明の市場も膨らんでいる。

LED照明のグローバル市場を先取りしている韓国企業は、技術力・エネルギー効率を兼ね備えた製品により、「植物照明」のシェアを高めようとしている。

台湾の調査会社「トレンドフォース(Trend Force)」によると、サムスン電子は2020年に続き昨年もLED照明2位(売上基準)を記録、ソウル半導体も7位に名を連ねた。世界的にカーボンニュートラルが進んでいるうえ、省エネの流れも加速し、エネルギー消費効率の良い韓国国内のLED照明の人気が拡大したと分析される。

グローバル市場では、室内で植物を育てることができる植物成長用LED照明の比重が次第に拡大している。業界はその規模を4億ドルと推算する。LG電子が最近発売した、植物を育てるための生活家電「LGティウン(tiiun)」「ティウンミニ」が人気を集め、連日完売を続けている。「ティウン」ラインナップはLED照明を活用して、日光と土がなくても観葉植物を育てることができる。

植物園・農場など大型空間でLED照明を活用して植物を育てる事例も増えている。

ソウル半導体は今月、毎年35万人の観光客が訪れる済州(チェジュ)島の植物園「BOROMWAT」に「LEDサンライク(SunLike)照明」を活用した体験空間を設けた。小さなLEDチップが、380~740ナノメートルの自然光を出す。日差しに似た波長があり、室内でも野外のように植物を育てることができる。

LG電子が先月発売した植物家電「ティウンミニ」(写真=LG電子)©MONEYTODAY

業界はLED照明のノウハウを備えた韓国企業の植物成長用LED市場シェアが今後も拡大を続けると見ている。

LG電子の「ティウン」のLED照明は、植物の成長に適した波長に光反射率を高めるなど、独自開発したLED光源技術を適用している。

サムスン電子はまだ植物家電を発売していないものの、白色の光を出す「フルスペクトルLED」技術を前面に出し、2018年から植物成長用LEDパッケージとモジュールを披露している。

室内農業市場でも規模拡大に伴い、成長用LED照明市場は次第に大きくなる見通しだ。

人工知能(AI)センサーを活用したスマートファーム(知能型農場)は、温室や植物工場など、屋外と似た環境を室内で整える必要があり、成長用LED照明の使用が不可欠だ。科学技術雇用振興院は、韓国のスマートファーム市場規模が今年5兆9588億ウォンに達するとの見通しを示した。

業界関係者は「エネルギーは同じでもより多くの光を生産できるというエネルギー効率の良さに加え、自然光と同レベルの光を植物に届けられるという点で、韓国の技術はグローバル市場で高い評価を受けている」と解説する。そのうえで「スマートファームや植物工場は、従来の温室・植物園に比べてはるかに多くのLED照明を必要とするため、韓国の植物成長用LED照明の需要が急増するだろう」と展望している。

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