2024 年 5月 5日 (日)
ホーム経済流通処理水問題で急騰する「キムチに不可欠な」塩…韓国食材「ドミノ引き上げ」の懸念

処理水問題で急騰する「キムチに不可欠な」塩…韓国食材「ドミノ引き上げ」の懸念

18日、ソウルのある大型マートの塩売り場に天日塩品切れと掲示されている(c)news1

日本の福島原子力発電所の処理水放出を控え、韓国の外食業界が苦脳している。大型マート、コンビニなどの「塩買い現象」による品薄で塩の価格が上がり、不安感が広がっているためだ。相次ぐ食材価格の引き上げで外食価格が再び上がる可能性も取り沙汰されている。

◇「塩の供給に問題はない」

韓国農水産食品流通公社によると、粗塩5kgの平均小売価格が16日時点で1万3406ウォン(1ウォン=約0.1円)だった。1年前(1万1188ウォン)より19.8%、平年(7901ウォン)より69.6%も値上がりした。

価格比較サービス「ダナワ」が今月7~13日、オンラインで塩の取引額を調査した結果、前の週に比べて817%増加したことが明らかになった。需要が急激に集中し、価格も急上昇した。天日塩20kgの平均取引価格は今月14日に5万7840ウォンとなり、5月の平均取引価格(3万1540ウォン)より83%上がった。不足している一部の製品は2~3倍上がった価格で取り引きされた。

全国の天日塩の85%を扱う新安郡(シナングン)水産業協同組合の直売場は今月8日、2021年産の天日塩価格を一袋2万5000ウォンから3万ウォンに引き上げた。宅配での販売が激増したため、新安天日塩商品の1人最大購入数量を5袋に制限することにした。

この状況について、海洋水産省は「天日塩の品薄や塩価格引き上げは4~5月の気象条件で生産量が減ったことが根本的な原因だ。6~7月の生産量が正常化すると見込まれ、生産量が回復しているため、供給に問題がない」とみている。

◇繰り返される「食材価格の引き上げ」

しかし、外食業界は塩をはじめ、最近食材価格の引き上げが繰り返され、負担が増している。外食価格を引き上げる要因が生じているが、世論を考慮して簡単に価格を上げにくいためだ。

ある業者は自営業者コミュニティには「塩15kgを注文できたので安心した。品切れが早く解消されればいい」「塩の価格が上がれば、キムチ、おかずの価格も上げざるを得ない。でも値上げしたら消費者から厳しい目を向けられる」などと書いている。

ソウル市鍾路区(チョンノグ)の居酒屋経営者は「塩の価格が米価より高くなった。メニューの値段を上げた分だけ収益が上がるわけでもなく、かと言って頻繁に値段を上げれば客が減る。食材価格引き上げの負担を2~3カ月は我慢しなければならないだろう」と見越している。

◇「シュガーフレーション」

今月初めには酪農振興会と乳業界が原乳価格調整交渉に入っている。

昨年に続き、今年も10%前後上昇するものと予想され、牛乳など乳製品価格を引き上げざるを得ない。また、昨年末から砂糖価格が引き続き上昇し、関連する製品価格も同時に上がる「シュガーフレーション」現象が続いている。

外食業界関係者は「需要が突然増え、市場が不安になったため塩の卸売価格も上がっている。砂糖、塩は主要食材なので加工食品などにも広く使われているため、ドミノ上昇の懸念がある。直ちに価格を上げるわけにはいかないので、市場の状況を見守っていきたい」と話している。

(c)MONEYTODAY

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