
韓国で6月3日に投開票される統一地方選挙を前に、各家庭に郵送された選挙公報物が受け取られずに放置されるケースが相次いでいる。長期間の放置は「留守」のサインとなり、住居侵入や窃盗などの犯罪を誘発しかねないほか、個人情報の流出を懸念する声が出ている。専門家からは、情報提供の手法をデジタル形式へ移行するなど、時代に合わせた配送方法の検討を求める指摘が上がっている。
選挙を10日後に控えた先月24日までに公報物の発送が完了し、先週中にはほぼ全世帯に配達された。しかし、5月28日にソウル市永登浦区の住宅街にあるヴィラ(低層集合住宅)3棟(計49世帯)を調査したところ、全体の約3分の2に当たる33世帯で公報物が郵便受けなどに残されたままになっていた。
郵便受けが小さいために床に直接置かれているケースもあり、建物の管理人は「住民が忙しいのか、公報物に関心がないようだ」と話す。また、別のマンションのごみ置き場では、開封された公報物が古紙に混ざって散乱しており、世帯全員の氏名や住所が外部から丸見えの状態になっていた。
白石大のイ・ゴンス教授(警察行政学)は「郵便物がたまっている家は空き巣などの標的になりやすい。個人情報の管理に警戒を高めるとともに、関連犯罪への処罰を厳格化すべきだ」と警鐘を鳴らす。
背景には、紙の公報物に対する有権者の関心の低さがある。全国公務員労働組合が実施した意識調査(6820人対象)では、届いた公報物を「きちんと読まない」「封筒ごと捨てる」などとした回答が合わせて88.5%に達した。
こうした事態を受け、培材大のチェ・ホテク教授(行政学)は「時代に合わせて、選挙公報物をデジタル文書と紙媒体に二元化する取り組みが必要だ。印刷や配送のコスト削減だけでなく、有権者へより効果的に情報を届けることにつながる」と、システムそのものの見直しを訴えている。
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