冷たいシャワーもままならない。午前4時45分。サウナのような熱気に汗を流して目が覚めた。午前1時30分に寝入ってから1時間ごとに暑さで目が覚める。
水でも浴びようと部屋のドアを開け、立ったまま手桶の水で体を濡らす。周りの家財道具がぬれそうなので、できるだけ腕と足を縮めて。
小部屋の住人はどこで汗を流すのだろう。17年間、ここでボランティアをしている関係者は、手書きの掲示板を指差した。「同行銭湯」――ソウル市が3月から始めた事業だ。小部屋の住人らが健康を保てるよう、近くの銭湯と提携して施設を利用できるようにした。
「同行銭湯」と書かれた紙に、サウナの休業日が書かれている。2カ所とも休みであれば、小部屋相談所のシャワーブースを使ったりもするという。
しかし、猛暑が続くと利用客は多くないという。ある住民は「ソウル市が月に2枚ずつくれるので使ってはいるが、最近使うことがない」と首を横に振った。
シャワー施設のほかにも、東子洞には生活必需品を自由に購入できる「温もり倉庫」や銭湯と食堂を無料で利用できるクーポン配布もある。ボランティア団体による食料の配給もある。
しかし、これらの支援だけでは住民らは苦難から完全に抜け出すことはできない。彼らが横になって休息を取る小部屋は、今日も猛暑で焼けつくようだ。
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