2024 年 5月 17日 (金)
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[KWレポート] 死角地帯に置かれた「一人中高年」 (3)

病院に一緒に行き、一緒にご飯を食べて…

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ソウルの単身世帯10人に3人は「中高年」。その数は年々増えています。ところが一人世帯への支援は手薄で、現地では「死角地帯」といわれています。必要な支援策は何か調べてみました。(シリーズ3/4)

◇オーダーメード型政策

「地域別、年齢別、性別によって、その人が関心を持つ政策は異ならざるを得ない。どのように対象者の需要に合わせて効率的なコストパフォーマンスの高い支援をするかが(一人世帯)政策の成功のカギだ」

ソウル市のオ・セフン市長が今年1月、「一人世帯安心総合対策」を発表した際、強調した言葉だ。オ市長の発言のように、ソウル市は中高年一人世帯のためのオーダーメード型政策を実施している。

市によると、中高年一人世帯が一緒に集まって旬の食材や健康的な食材で食事を作って分け合う「ソーシャルダイニング」(グループ別に一緒に食事をする)「幸せな食卓」が4月から始まった。

慢性疾患の危険が高く、社会的なネットワークの形成に困難を経験している、そんな中高年一人世帯の食生活を改善する。食べ物を介した意思疎通と交流を通じ、寂しさや孤立感を解消し、社会的関係の回復にも寄与するという計画だ。

「幸せな食卓」は、直接料理を作る「料理教室」と、農村体験活動のように各自治区別に特色のある多様なプログラムによって運営される。

例えば、ソウル市麻浦区は、高血圧など慢性疾患のある中高年一人世帯を対象に、治療に役立つ食べ物を作る料理教室を運営する。城北区は帰農帰村センターと共同で「農村体験活動」を実施、中区は自ら作った食べ物を、地域内の独居老人たちと分け合う行事を進めている。

市は参加者間の親密な関係が形成されるように小規模グループを作り、活動終了後も参加者が持続的に交流を継続できるよう、オンラインコミュニティ作りも支援する予定だ。

◇病院同行、大半が「非常に満足」

病気の時に病院まで付き添ってくれるサービスもある。昨年11月に始まった「一人世帯病院同行サービス」の利用者は5月9日現在、2021人となった。

このサービスは、所得や年齢に関係なく、誰でも1時間当たり5000ウォンで利用できる。利用タイプは一般診療、健康診断、リハビリ治療、入退院、透析、視覚障害者診療など。利用者の96.5%は、サービスに「非常に満足している」と答えた。

孤独死する危険が大きい中高年一人世帯の寂しさ軽減と社会的孤立予防のための「人工知能(AI)生活管理サービス」も実施している。

これは携帯電話や家の電話にAIが定期的に(週1~2回)電話をかけ、「食事はちゃんと食べているか」「よく眠れているか」など、安否を確認する。また、運動、読書などの趣味生活や屋外活動のような日常生活を管理するサービスだ。

市一人世帯特別対策推進団のイ・ヘソン団長は「中高年一人世帯が実際に体験する問題を解決するために健康、社会関係、安全関連などの多様な生活密着型事業の需要を掘り起こし、推進している」と説明している。

(つづく)

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