離婚訴訟中に夫が死んだ。妻は財産相続を受けられるのか――韓国のある女性がこの問題をめぐって夫の実家ともめている。どう軟着陸させればよいのだろうか……。
女性は結婚7年目の夫の家庭内暴力に苦しみ、離婚訴訟を起こした。子どもはいない。夫は「財産は一切渡さない」と威嚇し、訴訟では「妻が常習的に浮気していたため殴った」とうそまでついた。
ところが、ある日、その夫が突然、交通事故で死亡した。すると夫の家族が「離婚訴訟で苦しんでいたうえに交通事故にまで遭った」と妻に責任転嫁を始めた。
夫の事業は好調で、実家は代々の資産家でもあった。夫の家族は「妻が財産を相続するのは絶対に許せない」と主張し、訴訟を継続したいと言い出したのだ。
民事訴訟の手続きは、当事者が死亡すれば中断され、相続人や相続財産管理人がいれば継承できる。しかし離婚訴訟は他の人によって継続できないため、当事者が死亡すれば訴訟は終了する。
残る問題は、妻が夫の財産を相続できるかどうかだ。
妻の不安は「自分が離婚訴訟を起こしたことが相続の妨げになるのではないか」という1点だった。
しかし、それは杞憂らしい。特別な理由がなければ夫の財産を相続できると法律の専門家はみている。
家事裁判に詳しい弁護士はMONEYTODAYの取材に「離婚訴訟中に配偶者の一方が死亡した場合には裁判が終了する。なので『法的な夫婦関係を離婚によって終了する』ということができなくなる。たとえ妻から訴訟を起こしていても、相手の財産を相続できる」と解説している。
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