2026 年 6月 23日 (火)
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体重の6倍、迫る気絶の恐怖、記者が身をもって体験した…韓国・戦闘機操縦士「極限訓練」の壮絶ルポ

韓国国防省担当記者団向けの飛行適応訓練で、非常脱出訓練のため装備に搭乗した記者(c)MONEYTODAY

「息をもっと止めてから吸ってください」「腹筋、臀筋。力を入れなければ気絶します」

視界がぼやけかけた瞬間、教官の切迫した声に意識がはっきり戻った。頭を背もたれにさらに強く密着させ、「クッ」という声とともに息を止め、太ももに力を入れると、周囲がより鮮明に見え始めた。

体重の6倍、6Gに達する荷重を20秒間、体一つで耐えなければならない加速度耐性訓練。終わらないように感じられた20秒が過ぎると、背中を汗がつたった。脚はしびれ、息は上がったが、「G-LOC(大脳動脈血圧低下による意識喪失)」なしに耐えきったという安堵感から、長い息が漏れた。

韓国忠清北道清州市の空軍航空宇宙医療院航空宇宙医学教育訓練センターで17日、国防省担当記者団向けの飛行適応訓練に参加した。記者団は「一時的搭乗者」を対象とする航空機搭乗過程訓練として、加速度耐性訓練、空間感覚喪失(SD)訓練、低圧室飛行訓練、非常脱出訓練と理論教育を受けた。

圧巻は加速度耐性訓練だった。実際に戦闘機へ搭乗した時に発生する荷重に耐えるための耐性を高める過程だ。軸を中心に遠心分離機のように高速で回転する、いわゆる「ゴンドラ」に乗り、通常の重力の9倍、9Gまで経験できる。操縦士ではない搭乗者は6Gを20秒間耐えれば「合格」となる。

訓練前の理論教育では、意識を失わないためのAGSM(耐G動作)の実施方法について重点的に教育があった。訓練教官は「今回の訓練の目的は、Gによって荷重を受ける環境がどのようなものか、生理的にどのような変化があるのかを経験することだ」と話した。

実際の訓練に入ると、緊張は極度に高まった。重力を高めるためにトリガーを押し、レバーを引いた瞬間、6Gへ急加速した。しかし呼吸の間隔が短かったため、頭に向かう血流が弱まり、意識が遠のきかけて頭を支えられなくなった。訓練は中断された。

教官は「息を3秒まで止めてから再び呼吸する過程が重要だ。腹部の下に力を十分入れなかったことも問題だ。その二つを必ず覚えた状態で評価に臨まなければ合格できない」と助言した。

約1時間後、再び挑戦した。十分に息を吸い込んだ後、レバーを引いた。下半身に最大限力を入れながら「クッアップ」という声とともにAGSMを実施した。3秒間息を止めて再び呼吸する。それを7回繰り返すと、長く感じられた20秒が過ぎ、徐々に荷重が減った。2回の試みの末に合格できた。

戦闘機操縦士が任務を遂行する高度2万5000フィート(7620メートル)での身体変化を経験できる低圧室飛行訓練もあった。

気圧が急速に下がると、耳が詰まった。唾をのみ、下あごを動かしながら、体の内外の気圧を合わせていった。訓練施設内につるされていた風船は、少し前とは違い大きく膨らんでいた。2万5000フィートに達すると、酸素マスクを外した。

ボールペンを手に持ち、「低酸素性低酸素症」「Price check」などの韓国語と英語を紙の上に繰り返し書いた。最初はきちんと書けていた文字が、1分たつと曲がり始めた。2分になる前に酸素飽和度は61%まで下がった。視界が少しかすむ感覚が出始めた瞬間、教官が酸素マスクを着けた。深呼吸すると飽和度は99%に回復し、意識も戻った。

次に、気圧が高くなる状況を体験した。高高度から地上へ降りる状況を想定したものだ。気圧が高まると、中耳に圧迫を感じた。鼻をつまんで息を吐く「バルサルバ呼吸」で、体内外の気圧を合わせようとした。

非常脱出訓練とSD訓練も実施された。SD訓練は、操縦士が目と耳で把握する人体の平衡感覚に依存する飛行の危険性を経験する過程だ。訓練装置の中にはF-15Kの操縦室が再現されていた。離陸中に実際の上昇より速く高度が上がるように感じる感覚、水平状態なのに高度が下がるという誤った感覚、旋回時に実際より大きな角度で機体が回っているような錯覚も経験できた。

非常脱出訓練では、戦闘機の座席を再現した機器に座り、レバーを引くと一瞬で座席が跳ね上がる。体に加わる衝撃を減らすため、全身を椅子にぴったり密着させ、隙間をなくし、頭はヘッドレストに密着させた。座席が突き上がると、予想以上の速度と強い圧力に思わず声が出た。

操縦士をはじめとする航空勤務者は、任務遂行の過程で、地上では経験しにくい3次元空間の飛行環境にさらされる。人体の生理的・心理的変化につながり得る環境変化に対処できなければ、任務遂行にも大きな影響を及ぼしかねない。

空軍関係者は「空軍は、飛行環境が人体に及ぼす影響を理解し、それに対応する能力を高め、安全要因による事故と損失を最小化するため、航空勤務者を対象に飛行環境適応訓練を実施している」と明らかにした。

(c)MONEYTODAY

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