
韓国で、女性であることを理由に殺害される「フェミサイド」の公式統計導入が進んでいない。国会で統計導入の進捗を問われた統計庁長が「国際基準を適用する研究を進めている」と答えてから2年半以上が過ぎ、統計庁は国家データ処に改編された。
代表的事件とされる「江南駅事件」は17日で発生から10年を迎えた。2016年5月17日、ソウル・瑞草区の飲食店トイレに隠れていた30代男が、20代女性を殺害した事件だ。被害者の前に男性6人が利用した後、7人目に入った女性が標的となった。
その後も、全羅南道順天やソウル江北区、光州で、面識のない女性や女子高校生が殺害される事件が相次いだ。動機は「女性に無視されたと感じた」「刑務所に入りたかった」などの腹いせが多く、無関係の女性が狙われた。
国連統計委員会は2022年3月、フェミサイド統計の枠組みを承認したが、韓国はなお検討段階にある。国家データ処は「国際機関主導で妥当性を研究している段階」とし、担当省庁を議論する段階ではないと説明した。
一方、スペインは2022年から政府公式統計を作成している。欧州各国も実態把握へ進み、欧州ジェンダー平等研究所は加害者の支配的行動や別離への反応なども判断基準に含めている。
韓国では市民団体「韓国女性の電話」が2009年から報道をもとに非公式集計を続けている。ソン・ランヒ代表は「記事化されない事件は漏れる」と限界を語る。専門家は、フェミサイドが殺人統計に埋もれれば、政策担当者も問題の重大性を認識できないと指摘している。
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