2026 年 5月 3日 (日)
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北朝鮮・労働新聞から消えた金正恩総書記の実妹…「立場の弱体化ではなく影響力拡大の証左」

写真の右端の女性がキム・ヨジョン氏=労働新聞(c)news1

2026年に入ってから、北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞で、キム・ヨジョン(金与正)党総務部長の顔を見つけることが難しくなっている。キム・ヨジョン氏の顔が紙面に登場するのは、キム・ジョンウン(金正恩)総書記に随行する時に限られるが、2026年はその頻度自体が減った。公開活動に同行しても、一行の最後方で「静かな随行」に徹する姿が目立っている。

ただ、これはキム・ヨジョン氏の政治的立場が弱まったためではなく、むしろ最高指導者から「より大きな権限」を与えられた結果だとの分析が出ている。

2月27日、キム・ジョンウン総書記が党本部で主要指導幹部や軍事指揮官に特別な贈り物として準備した新型小銃を授与した際、労働新聞が掲載した写真を見ると、キム・ヨジョン氏は最も左端に配置されていた。「白頭血統」の権威を感じさせる演出ではなかった。

3月にも同じ流れが続いた。3月8日の国際女性デー記念・全国道対抗乗馬競技の写真では、キム・ヨジョン氏は右端に立っており、顔の識別も容易ではなかった。

同月14日、植樹節を迎えて新星通りの池公園での植樹行事に出席した際も、キム・ジョンウン総書記と娘をはじめ主要幹部が写真中央に配置された一方、キム・ヨジョン氏は右端に立つ姿が確認された。

翌15日の最高人民会議第15期代議員選挙当日、キム・ジョンウン総書記が順川地区青年炭鉱連合企業所の投票所を訪れて投票する場面でも、キム・ヨジョン氏は存在感がほとんどない形で、写真の片隅に小さく写っていた。

キム・ヨジョン氏はかつて、キム・ジョンウン総書記の現地指導や主要行事のたびに最側近の随行員として、常に目立つ位置で公開活動に臨んでいた。さらに党宣伝扇動部副部長、または第1副部長という肩書とは関係なく、北朝鮮の対外案件を統括し、キム・ジョンウン総書記の「スピーカー」として、対韓・対米談話をたびたび発表してきた。

一時は、キム・ジョンウン総書記に不測の事態があった場合、キム・ヨジョン氏が後継者の役割を果たすとの観測まで出るほど、その政治的立場は強固だった。

一部では、北朝鮮メディアがキム・ヨジョン氏の公開活動を扱う方式が、次期後継者候補として取り沙汰されるキム・ジョンウン総書記の娘の登場とともに変わったとみられている。後継構図には、キム・ジョンウン総書記の子ども以外の「白頭血統」であっても、別の血筋は介入できないというメッセージを浮き彫りにするため、キム・ヨジョン氏に関する報道方式を変えたという見方だ。一方で、こうした報道方式の変化そのものが、宣伝扇動部出身のキム・ヨジョン氏の発想から出たものだと見る向きもある。

報道写真の後方や端にたびたび写ることから、政治的立場が低下したとの分析もあるが、実際にはキム・ヨジョン氏の地位はむしろ高まっているとの見方がある。

キム・ヨジョン氏は2月に開かれた朝鮮労働党第9回大会を機に、党の内部運営を担う総務部長に昇進した。昇進の前後も、対韓談話などを通じて北朝鮮の立場を示す役割を活発に続けている。3月には高市早苗首相の日朝首脳会談への意欲に反論する談話も発表した。キム・ヨジョン氏が日本関連の談話を出すのは珍しく、業務範囲がむしろ拡大したと解釈できる。

対北朝鮮消息筋は「労働新聞の写真でキム・ヨジョン氏が見えないからといって、権力が弱まったと見るべきではない」とし、「対韓、対日、対米など対外メッセージを専任していること自体が、キム・ジョンウン氏から確かな信任を受けている証左だ」と説明した。

過去に情報当局は、キム・ヨジョン氏がキム・ジョンウン総書記の公開活動に随行することとは別に、「独自の現地指導」に出た事例もあると分析したことがある。これは、北朝鮮内部でキム・ヨジョン氏の地位が、断片的な根拠だけで変化を判断できない水準にあることを示している。

今後、または別の後継者へ体制が世襲される過程で、キム・ヨジョン氏が最も強力な後見人の役割を担うとの観測もある。

慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム・ジョンウン氏に最も近い血縁が、党総務部長という党運営の実務上の頂点に配置されたことは、キム・ヨジョン氏が4代世襲の『管理者』、すなわち白頭血統の唯一指導を守る役割を担うための中長期的な布石だ」と評価した。

(c)news1

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