
物事が思わぬ方向へそれる時、韓国では「三千浦(サムチョンポ)に落ちる」という表現をよく使う。
だが、この春ばかりは、この言葉を称賛に変えるべきかもしれない。海洋水産省が4月の「今月の灯台」に選んだ灯台が、一度足を踏み入れると、その風景に魅了されて抜け出しにくい南海の名所として注目されているためだ。
韓国航路標識技術院などによると、慶尚南道(キョンサンナムド)泗川(サチョン)にある「三千浦旧港東防波堤灯台」は、鮮やかな赤い外観で旅行客の視線を引き付けている。全国の灯台を巡る人たちの間では、すでに必須コースに挙げられている。
穏やかな青い海と鮮烈な対比をなす灯台のおかげで、特別な色補正をしなくても印象的な写真を撮れることから、交流サイト(SNS)を中心に口コミが広がっている。週末には灯台を背景に思い出を残そうとする訪問客の足が続く。
ここを訪れる最大の理由は、何といっても夕日だ。全国9大夕景スポットの一つに数えられる「実安(シラン)落照」が始まると、世界全体を赤く染めるような壮観が広がる。灯台の赤は夕焼けと重なり、さらに強烈な存在感を放ちながら幻想的な雰囲気をつくり出す。
灯台の向こうに見える三千浦大橋と泗川海上ケーブルカーのシルエットが夕日と溶け合う風景は、写真家たちの間でも最高の被写体として知られている。
景観以外の楽しみも豊富だ。韓国航路標識技術院が運営する「豊かさの灯台スタンプツアー」コースの主要拠点に指定されており、旅をしながら灯台の歴史を学び、スタンプを集める面白さも味わえる。防波堤の散策路は平坦に整備され、ベビーカーや幼い子どもを連れた家族旅行客も安全に通れる点が長所だ。
韓国航路標識技術院の関係者は「南海岸観光ベルトの中核拠点であり、麗水(ヨス)の夜の海から続く海岸ラインの締めくくりを飾るこの場所は、日常の複雑な悩みを下ろし、赤い魅力に浸るのに十分な空間だ」と話した。
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