
10年以上音信不通の息子に財産を残したくないという韓国の70代女性の事情が紹介された。
4月17日に放送されたYTNラジオの番組では、子どもに負担をかけないよう元気なうちに相続準備を進めたいという女性の相談が取り上げられた。
女性は「2026年に70歳になる。若い頃はソウル・江南で受験塾を経営し、休みなく働いてきた。夫に先立たれてからは静かに暮らしている。自分が一生かけて築いた財産は、時価50億ウォン(約5億5000万円)の江南のマンション1戸だけだ」と語った。
女性には息子と娘が1人ずついるが、米国に留学した息子とは十数年にわたり連絡が取れていない。旧正月や秋夕はもちろん、自身の誕生日や夫の命日にも連絡はなく、所在や生活状況も分からないという。
一方で娘は会社勤めの傍ら頻繁に訪ねてきており、毎月100万ウォン(約11万円)の生活費も欠かさず送ってくる。女性は「本当にありがたい」としながら、「自分が亡くなった後、この家を残すことで子どもたちが高額な相続税に耐えられるのか心配だ。税金を払えず安く売却することになるのではないか」と不安を口にした。
さらに「正直なところ、2人の子どもに同じ割合で財産を分けたくない。長年支えてくれた娘と、他人同然の息子に同じ取り分を与えるのは納得できない。娘にできるだけ多く残したいが可能なのか。また相続税を減らすにはどのような準備が必要か」と尋ねた。
これに対し、番組の弁護士は、民法上、遺言によって法定相続分と異なる分配が可能だと説明した。遺言書の作成や生前贈与、遺言代用信託などを活用すれば、特定の子どもにより多くの財産を残すことも認められているという。
ただ今回のケースのように高額不動産が中心の場合、贈与には処分などの検討が必要であり、財産構成や税負担を含めた総合的な設計が求められると指摘した。また、本人の意思に反して息子が遺留分返還請求を起こす可能性があり、この点も相続設計で考慮すべき重要な要素だと助言した。
さらに、50億ウォン規模のマンションでは相続税率が最大50%となり、各種控除を差し引いても大きな税負担が生じる可能性が高いと説明。このケースでは18億ウォン(約1億9800万円)以上の相続税が課される見込みだとした。
負担を抑える方法としては、生前贈与による資産分散や保険の活用、控除制度の最大限の利用、長期的な相続設計などが挙げられる。また、現金が不足する場合でも延納制度を使えば分割納付が可能で、条件を満たせば不動産などで納税する物納制度も利用できるため、資産を急いで手放さずに対応できると説明した。
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