2026 年 4月 29日 (水)

年間アーカイブ 2025

韓国でジュース離れ加速…市場を席巻するゼロ炭酸

韓国の飲料市場で「ゼロ飲料」ブームが続く中、かつて健康飲料の代表格とされたジュースの存在感が急速に薄れている。ゼロ炭酸飲料は毎年二桁成長を続け、2兆ウォン規模に迫る一方で、ジュース市場は1兆ウォン前後で足踏みを続けている。 市場調査会社ユーロモニターによれば、ゼロ炭酸飲料市場は2021年5412億ウォン、2022年8861億ウォン、2023年1兆3391億ウォンと急成長し、初めてジュース市場(1兆1167億ウォン)を追い抜いた。2024年にはゼロ炭酸が1兆8216億ウォンに拡大し、ジュースは1兆1860億ウォンにとどまった。今年はゼロ炭酸2兆2444億ウォン、ジュース1兆1985億ウォンと予測され、2026年には両市場の差が1兆ウォンを超える見通しだ。 10年前までジュースは炭酸飲料の代替として人気を集め、ビタミンCやミネラル、抗酸化成分を含む「健康飲料」として消費者の支持を得ていた。しかし近年は「血糖スパイク(食後の急激な血糖上昇)」を招く糖分飲料とみなされ、敬遠されつつある。世界保健機関(WHO)が砂糖摂取を1日の総摂取カロリーの10%以下に制限するよう勧告したことも、消費者の警戒感を高めた。 ジュース市場の停滞には原料特性の限界もある。果汁100%という強みが、糖分削減を重視する現在の健康志向では弱みに転じているのだ。韓国の大手ブランド「デルモンテ」を展開するロッテ七星飲料のジュース部門売上も、2025年上半期は770億ウォンと前年同期比15%減少した。 一方でゼロ炭酸飲料は「糖分を気にせず飲める」というイメージで急成長。かつては「味が物足りない」との指摘もあったが、技術進歩により通常の炭酸との差はほとんどないと評価されている。 業界関係者は「ゼロカロリーや無糖飲料が健康トレンドとなり、かつて朝食代替や間食として選ばれたジュースの需要が大きく減った。今や消費者はカロリーより糖分含有量を最優先に見るため、ジュースは不利な状況だ」と話している。 (c)news1

2.5カ所新設されるごとに1カ所閉鎖…韓国・揺らぐ障害者雇用事業の「持続可能性」

韓国で障害者の雇用拡大を目的に導入された「障害者標準事業場」が、過去5年間で256カ所増加した一方、同じ期間に161カ所が認証を取り消されるか自主的に廃業したことが分かった。事業場数の拡大に偏重した政策が、持続可能性を確保できていない実態が浮き彫りとなっている。 国会環境労働委員会のイ・ヨンウ議員(共に民主党)が韓国障害者雇用公団から受け取った資料によると、障害者標準事業場は2021年の566カ所から2025年6月時点で822カ所に増加した。しかし同期間に認証が取り消された事業場は161カ所に上り、2.5カ所新設されるごとに1カ所が閉鎖された計算になる。 年別の取り消し件数は2021年26カ所、2022年38カ所、2023年37カ所、2024年40カ所、そして2025年6月時点で20カ所だった。 特に「自主的取り消し」が119カ所(全体の74%)を占めた。これは7年間の義務雇用期間を満了後、政府の支援金だけを受け取って認証を放棄するケースが多く含まれており、制度の抜け穴を悪用したものではないかとの批判が出ている。 そのほか、認証基準の未順守(38カ所)や不正行為(4カ所)による取り消しも発生し、制度運用における管理・監督の甘さが露呈した。事業場数の増加に比して、実態点検や制度趣旨に沿った運営を確保するためのフォローアップが不十分だったと指摘されている。 (c)news1

「座れないKTX」不満続出、湖南線の増便に3年?…韓国政府と自治体に温度差

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が光州でのタウンホールミーティングで、湖南線KTXの運行増便を求める市民の声を受け止め、議論が広がっている。全羅南道のキム・ヨンノク知事は「増便には新しい車両導入が必要で、約3年かかる」と説明する一方、道庁として不合理な運賃と座席不足の改善に積極的に取り組む姿勢を示した。 現在、湖南線と全羅線の利用客は、五松駅経由による追加料金として片道3100ウォンを余分に支払っている。全羅南道は国土交通省などに対し増便と料金改善を要請し、他の自治体とも連携する方針を固めている。 与党「共に民主党」に所属する地元議員らも声を上げている。ある議員は「韓国鉄道公社(KORAIL)が収益優先で湖南線の利用客を軽視している」と批判し、当面は座席数の多い新型車両を投入して需要に応えるべきだと訴えた。 また、別の議員は「2015年の開通時、湖南高速鉄道の1日平均利用客は約2万4000人だったが、2024年には3万4000人を超え、年間利用者数も増加している」と指摘。しかしほとんど増便されず、特に週末や連休には深刻な混雑が続く。一方、京釜線は同期間に少なくとも4度増便されたと不均衡を訴えた。 (c)news1

韓国・地方公立病院で医師・看護師不足が深刻…「地域定着」と人材循環が鍵に

韓国の公立医療機関の大多数が医師や看護師を定員どおり確保できていないことが明らかになった。地域格差解消と公的医療強化が政府の重要課題とされるなか、専門家は「地域に根ざした生活環境改善と人材循環の仕組みが不可欠だ」と指摘する。 国会保健福祉委員会のキム・ソンミン議員(祖国革新党)が国立中央医療院から受けた資料によると、2024年末時点で全国35の公立医療院に勤務する医師は1343人で、定員1451人の92.6%にとどまった。看護職員も8262人の定員に対し7669人(92.8%)しか確保されず、26施設で定員割れだった。ソウル医療院や城南医療院など大都市圏でも医師・看護師が大幅に不足している。 キム議員は「公的病院が十分な診療を提供できない状況」と警告し、地域医師制度や公立医科大学の設置など抜本的な対策を求めた。だが大韓医師協会は「憲法で保障された職業選択や居住移転の自由を侵害する」として強く反発している。 医師団体は「強制的な勤務義務ではなく、医療人材が自発的に地域・必須医療を担える環境整備こそ必要」と主張。かつての公衆保健奨学生制度が応募者不足で失敗した例を挙げ、「10年の義務勤務は臨時の対症療法にすぎない」と批判した。 現場の専門家らは「根本的には地方で働きやすい病院づくりが欠かせない」と一致する。江原道寧越医療院のチョ・スンヨン医師は「医師は応募がなくて採用できず、看護師は患者数や人件費の問題で採用を絞らざるを得ない。日本のように地域の病院を強化しなければ長期的解決は難しい」と語る。 チョン・ウンギョン(鄭銀敬)保健福祉相も「地域医療格差の解消と必須医療の確保、公的医療の強化が核心課題だ」と述べ、具体的なロードマップ作成を進める方針を示している。 (c)news1

韓国コンビニ全国に5.6万店、チキン店の2倍超…本部との「不公平契約」紛争急増

韓国ではコンビニエンスストアの数が全国で5万6000店を超え、チキンフランチャイズ店(約3万店)の2倍近くにまで膨れ上がっている。業界の急成長に伴い、本部(フランチャイズ本社)と加盟店(コンビニオーナー)との間で「本部による不当な要求」などをめぐる紛争も増加傾向にある。 公正取引委員会が発表した「フランチャイズ事業統計現況」によると、韓国のコンビニ加盟店数は2021年に5万2168店、2022年に5万5043店、2023年には5万5711店と毎年増加している。一方、フライドチキン業種の加盟店数は2023年時点で2万9711店、カフェ業種は2万7974店、製菓・製パン業種は8842店と、いずれも増加傾向にある。 こうした量的成長に伴い、取引構造が複雑化し、加盟店との間のトラブルも深刻化している。特にコンビニ業種では、24時間営業の強制、高額な物流費、近隣地域への新規出店による競合など、経営者の負担となる要因が多く、紛争の温床となっている。 国会政務委員会に所属する共に民主党のイ・ジョンムン議員室が公正取引調整院から入手した資料によれば、2020年から2024年までの間、フランチャイズ関連の紛争調整にかかる平均処理期間は40日台だったが、2025年には前年より8日延び、53日まで長期化している。 実際、コンビニに関する紛争件数は2020年に144件、2021年に146件、2022年に152件、2023年に229件、2024年に240件、そして2025年は8月時点で167件となり、過去5年間で計1078件に達している。フランチャイズ業界全体では、2020年からの5年間で3059件の紛争が調整されており、広告・販促費の押し付けやインテリア改装の強要、契約解除や更新拒否といった「取引上の地位の濫用」が最も多く、1148件を占めた。 専門家は、フランチャイズ業界では本部と加盟店が「共存共栄」することが成功の鍵である一方、実際には権限や利益の配分が対立の根源になると指摘する。最近では、ソウル市冠岳区のピザ店で起きた殺傷事件も、本部と加盟店の対立が原因だったとされている。 (c)MONEYTODAY

韓国経済界に広がる失望「政府を支援しても、返ってくるのは規制強化」 [韓国記者コラム]

韓国の財界が、イ・ジェミョン(李在明)政権の対米交渉支援や青年雇用の拡大要請に積極的に応じてきたにもかかわらず、返ってくるのは規制の強化ばかりだとして失望感を募らせている。経済団体は「経営しやすい環境を整備する」との政府の公言にもかかわらず、立法・行政の両面で企業への規制が相次いで導入されていると批判する。 政府は、いわゆる「ノランボントゥ法」と呼ばれる労働組合法第2・3条の改正と商法改正に続き、法人税の引き上げを断行。さらに、労働災害撲滅を目的とした「労働安全総合対策」を発表し、重大災害を繰り返す企業に対し、営業利益の最大5%に相当する過料を科し、公共入札への参加を最大3年間制限するなど、経済的制裁を強化する方針を示した。 経済界はこうした規制の一方的な強化に危機感を強めており、台湾の事例と比較しつつ、企業環境を改善しなければ韓国経済がさらに悪化しかねないと警鐘を鳴らす。 企業各社は政府の求めに応じ、対米交渉を支援し青年雇用を拡大してきた。たとえば、サムスン電子のイ・ジェヨン(李在鎔)会長、SKグループのチェ・テウォン(崔泰源)会長、LGグループのク・グァンモ(具光謨)会長、ハンファグループのキム・ドングァン(金東官)副会長らは、8月25日に開かれた韓米首脳会談に経済使節団として同行し、政府の交渉を後方支援そた。米国のトランプ大統領が打ち出した関税圧力への対応として、現地での投資計画を発表し、相互関税を25%から15%へと引き下げる交渉に大きく貢献した。 また、イ・ジェミョン大統領が若年層の雇用難打開に協力を呼びかけた際には、サムスン、SK、現代自動車、LG、ハンファ、ポスコなどの主要企業が総計10万人以上の採用計画を明らかにした。 しかし、企業がこうした政府要請に応じる一方で、受け取るのは規制の強化ばかりだ。 商法改正、ノランボントゥ法の成立、硬直的な週52時間制と「週4.5日制」論争、法人税引き上げ、労災処罰強化などが相次ぎ、企業活動への負担は増している。政府は規制の根拠として「公平性」を挙げているが、こうした措置が国際基準と乖離しているとの指摘もある。 実際、急成長を遂げている台湾と韓国を比較すると、双方の企業環境には明確な違いがある。 台湾の2025年の1人当たりGDPは3万8066ドルで、韓国の3万7430ドルを22年ぶりに上回る見通し。経済成長率も台湾は4.45%と高水準を維持しており、2026年も2.81%と安定成長が続きそうだ。法人税率(韓国24%、台湾20%)や相続税最高税率(50%、10%)など、企業にとっての制度的負担の差が大きな要因とされる。 さらに、AI技術が牽引する半導体産業の成長にも企業環境が大きく関係しているとの分析もある。これにより、規制中心の政策から脱却しなければならないという声が経済界で強まっている。 韓国商工会議所のチェ・テウォン会長は、9月4日に開かれた企業成長フォーラムの基調演説で、「成長力を維持するには規制の壁を取り払わなければならない」と訴えた。 ある経済団体関係者は「誰の目から見ても、今の政府は事実上の“親労組政権”だ。経営側の懸念に応じた政策が何かあったか。最近、背任罪の緩和が議論されているが、それが他の強化された規制と等価交換になるとは言えない」と語った。 また別の関係者も「米中の企業は自国政府から全面的な支援を受けているが、韓国の企業は各種規制で身動きが取れないように見える。今は“銃声なき戦場”で企業が苦闘している時期であり、政府が全面支援をすべき“ゴールデンタイム”だ」と指摘した。【news1 ウォン・テソン記者】 (c)news1

地下鉄で火災発生時の避難法「線路上では壁をつたい最寄り駅へ」…韓国国交省が動画公開

ソウル地下鉄5号線で2025年5月、放火による火災が発生したことを受け、鉄道・地下鉄火災への恐怖と警戒感が高まっている。 国土交通省と韓国鉄道技術研究院は9月21日、YouTubeチャンネルで「鉄道内で火災が発生した際の乗客対応要領」をまとめた動画を公開した。 動画は、特に列車がトンネル内を走行中に火災が起きた場合、消火や避難が制限されることから、利用客が取るべき具体的な行動を中心に説明している。 列車内で火災が起きた場合は、まず運転士や119に通報した上で速やかに隣の車両へ移動する。その後は低い姿勢を保ち、列車が隣接駅に到着するまで待機してスクリーンドアから避難するのが原則だ。 出入口を非常レバーで手動操作すると列車は自動的に停止する。やむを得ずトンネルや線路上で避難する際は、他の車両の接近に注意しながら壁をつたって最寄りの駅に向かわなければならない。 駅構内で火災が発生した場合は、備え付けの防煙マスクなど安全装備を活用し、誘導灯や案内放送に従って外部へ避難することが推奨される。 国土交通省のチョン・ウィギョン鉄道安全政策官は「火災による緊急事態において乗客が冷静に対応するためのガイドラインとなることを期待する。鉄道運営会社にも配布し、既存の映像教材を修正・改善するのに活用していく」と説明した。 (c)NEWSIS

教権保護の効果か…韓国・昨年の「教員児童虐待」検挙件数が27%減少

韓国で2024年、児童虐待容疑で検挙された教員の件数が約27%減少したことが分かった。瑞二(ソイ)小学校教師死亡事件をきっかけに導入された「教育監意見書制度」などによって、教師が不当に児童虐待で通報されないようにした取り組みの影響とみられる。 国会教育委員会所属のチン・ソンミ議員(共に民主党)が警察庁から提出を受けた最近6年間(2020~2025年)の教員児童虐待検挙件数によると、2024年は512件で、2023年(698件)に比べて約27%減少した。2025年1~8月も360件で、昨年と同水準になる見込みだ。 検挙件数には小中高校の教員だけでなく幼稚園教諭も含まれる。2020年161件、2021年303件、2022年645件、2023年698件と増加してきた。これは全体的な児童虐待検挙件数の増加傾向と一致している。2020年の「チョンイン事件」(養子虐待致死事件)以降、通報が急増したためだ。 しかし2023年7月の瑞二小学校事件後、児童虐待通報時に教育監が「正当な生活指導か、虐待か」を判断して意見書を提出する制度が始まり、教員の検挙件数は大幅に減少した。2023年9月導入から今年2月末までに提出された教育監意見書1065件のうち、約70%にあたる738件が「正当な生活指導」と判断されている。 教育省は「教育監意見書制度だけでなく、正当な生活指導は児童虐待に当たらないとする法的根拠が整備されたこと、また社会的認識が教師の教育活動を尊重する方向に変わったことも影響した」と説明した。 (c)NEWSIS

[KWレポート] AI面接官が選ぶ“新基準”の「仕事ができる人」 (5)

◇AI面接に何度も落ち、無料プログラムで逆転就職 韓国のある社会人男性は就職活動中、大手企業に応募したものの、AI(人工知能)面接で何度か落ちた経験があり、大きな挫折感を味わった。 体系的にAI面接に備えるため、有料プログラムを探していたところ、偶然見たブログでソウル市が就職活動中の若者に無料で提供しているAI能力検査プログラムを知った。男性はその無料プログラムを活用して繰り返し練習し、AI能力検査の結果を面接時に積極的に活かした。 AI能力検査で明らかになった自分の強み――計画力、目標追求性、優先順位の設定、および戦略的な業務配分能力などを、面接で最大限アピールした。 「『予期せぬ状況への柔軟な対応戦略』という面接質問が出た。AI能力検査での経験と結果を活用し、さまざまなシナリオに基づいた対処法を用意して強調したことが、就職に非常に役立った」 男性は現在、HD現代重工業に就職し、ESG(環境・社会・ガバナンス)関連業務を担当している。 ◇最大10回まで無料、AI面接時代の“勝てる練習法” 性格や業務適性をAIで判断するAI面接が就職のトレンドとなる中、ソウル市のAI面接体験・能力検査プログラムは就活生の間で人気を集めている。 AI面接対策の有料プログラムは多いが、若年層の求職者にとっては費用の負担がネックだ。ソウル市のプログラムは無料で、費用を気にせず体系的かつ繰り返しAI面接の準備ができる。 ソウル市によると、39歳以下のソウル在住の若者は「性向検査」「映像面接」「戦略ゲーム」で構成されたAI面接体験と能力検査プログラムを無料で利用できる。このプログラムは、若年層の雇用難やAI活用の就職トレンドに対応し、就職への“はしご”の役割を果たすことを目的に2021年から導入された。 2025年は、1人あたり、月に利用できる回数を昨年の2倍に増やし、最大10回まで能力検査が可能となった。年間120回分のバウチャーで、繰り返し学習が可能というわけだ。 プログラムに参加する求職者には、159社の面接過去問約1万件が提供され、AI面接の仕組みから実践的なテクニックまで学ぶことができる。 検査受験後には、個人ごとの強み・弱み、能力レベル、職種との適合度などを客観的に把握できる詳細な分析レポートが提供される。また、自己紹介書の書き方、対面面接の準備法、個別の課題診断や弱点克服戦略、能力別に適した職種の紹介など、専門的なコンサルティングサービスも受けられる。 さらに、AI能力検査を導入している企業の分析や、企業ごとの対応戦略、結果レポートの活用法などを扱う特講や採用説明会にも参加可能だ。 このAI面接体験・能力検査プログラムを受講して就職に成功した体験談が口コミで広がり、毎年参加者が増え、満足度も高まっている。 利用者数は2023年に1万3073人、昨年は1万5506人に増加し、今年は8月末時点で1万1733人が利用。満足度(5点満点)は2023年の4.70点から2024年は4.79点に上昇した。 (c)MONEYTODAY

[KWレポート] AI面接官が選ぶ“新基準”の「仕事ができる人」 (4)

◇アマゾンの失敗に学ぶ、AI採用の落とし穴とその後の進化 アマゾンは2018年にAI採用システムを導入し、わずか4年でこれを廃棄した。 履歴書に「女性」という単語が含まれていると減点される。「実行した(executed)」のような男性開発者がよく使う動詞が含まれると優遇される。こんな性差別的な結果が明らかになったからだ。 AIは過去10年間に提出された履歴書に頻出する約5万語を学習していた。だが、それが男性中心のIT業界の偏った特性をそのまま反映した形となった。AIによる採用が偏向を露呈し、人材選抜に失敗した代表的なケースだ。 だが最近では、AIがむしろ採用の成果を高めるという研究結果が相次いでいる。 PSGグローバルソリューションズとシカゴ大学経営大学院が7万人の応募者を対象にAI面接と人間の面接を無作為に実施したところ、AI面接官が高く評価した求職者の最終合格率は、人間の面接に比べて18%高く、1カ月以上の勤務持続率も17%高かった。性差別を経験した割合も、AI面接では3.3%にとどまり、人間面接(5.98%)の半分程度だった。さらに研究チームは「AI面接は人間の面接よりも、採用に関連する情報をより多く引き出した」と評価している。 ◇「多様性向上」へ導く新たなアプローチ ゲームを活用した採用ソリューションを開発した「パイメトリクス(Pymetrics)」によると、従来の履歴書中心の審査方式では女性の50〜67%が不利を被っているが、AI採用を導入すると多様性が20〜100%向上するという。これについて、オクラホマ州立大学のハウザー教授は「AIは人間の意思決定過程に内在する偏見を緩和し、多様性と採用成功率を高める」と分析している。 専門家は、AIの偏向を抑えるためには、リスクを事前に検証する「レッドチーム」を運営し、継続的にモニタリングすることが重要だと指摘する。実際、アメリカでは2024年10月時点で、フォーチュン500企業の93%がAI採用を導入するほど、AI採用が主流となっている。 また、AI採用の公正性・透明性・責任性を高めるための法整備の必要性も提起されている。米イリノイ州では、求職者にAIの動作方式を説明し、映像の共有・破棄などを規定した「AI映像面接法」を制定しており、ニューヨーク市でもAI採用ツールを使用する場合に偏向の事前監査を義務付ける条例が整備されている。 国会図書館のチェ・チャンス法制資料調査官は「韓国でも大企業や公企業によるAI採用技術の活用が広がっているが、公正性や透明性を確保するための法律や規定は存在しない。AI採用の評価方法やアルゴリズムの動作方式を求職者に事前に説明し、偏向防止のために外部監査を義務付ける規定が必要だ」と提言した。 (c)MONEYTODAY
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