2024 年 5月 4日 (土)
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音楽から動画まで…仮想人間も生成AIに [KWレポート] 火がついたAI開発競争 (11)

仮想アイドルグループ「メイブ」(写真=ネットマーブル)(c)MONEYTODAY

音楽、グラフィック、映像などマルチメディア領域にも、生成AI技術を活用したサービスが続々と出ている。まだ、テキストの領域ほどAIが完全に新たな結果物を「生成」する段階には至っておらず、入力データを「変形」するという段階に近い。しかし、ディープラーニング技術が高度化すれば、マルチメディア領域でも多様なサービスが出てくるものと見られる。

音楽生成分野のスタートアップで目立っているのが「ポザラボ(POZALABS)」だ。生成AIを活用して作曲、編曲、ミキシング、マスタリングなど音楽と関連した生成ソリューションを提供する。ポザラボ関係者は「ファンデーションモデルを使用する代わりに自主開発した生成AIモデルを活用する」とし、「学習のためのメディア音源データを直接製作し、高品質の音源を生成できるようにした」と話した。

最近、注目されている「仮想人間」も、生成AI技術を活用する。代表的な企業に「ディープブレインAI(Deepbrain AI)」「ネオサピエンス(Neosapience)」「クレオン(KLleon)」などがある。土台となるイメージ・映像を入力すれば、これを基盤に仮想人間を生成する。ディープラーニングAI学習のための「合成データ」も生成AIで作る。少量のデータによって類似のデータを作り、合成して、AIに再び学習させる方式だ。「ナルニアラボ(Narnia Labs)」は2D・3Dデータ分野で、「Hi CN.AI」はバイオメディカル分野に特化した合成データを作る。

◇VC業界「ペインポイント解決の生成AIスタートアップに注目」

今後、生成AI技術を活用して、市場のペインポイント(不満事項)を解決するスタートアップが急成長する――ベンチャー投資業界では、こんな見方がでている。それには、生成AI技術を産業別需要に合わせて活用することが重要だという。

米キャップストーンパートナーズのホン・ユナ審査役は「スタートアップがどんなファンデーションモデルを活用するのか、直接ディープラーニング技術を開発するのかにかかわらず、これらをどのように活用して事業を進めるかが重要だ」と指摘したうえ、結果的に▽市場ターゲティング▽プロンプト・ファインチューニング技術力▽良質のデータを持つスタートアップ――が競争力を持つとみている。

ファンデーションモデルを開発するビッグテック企業のスタートアップとの協業も増えるだろう。ネイバーD2SFのイ・ジョンヒョン首席審査役は「ビッグテック企業が、自社のファンデーションモデルを中心に業界を構築していくために、生成AIスタートアップに注目するだろう」と指摘。「ネイバーも投資だけでなく、大規模汎用言語モデル『ハイパークローバー』の普及・発展のために、関連スタートアップの発掘に関心を持っている」と表明している。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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