
韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が校外体験学習の萎縮問題に言及したことを受け、教育界では教師の負担軽減と法的保護の整備を求める声が強まっている。
大統領は、事故への懸念から体験学習が縮小している現状に触れ、安全要員の補強や費用支援の必要性を強調し、「責任回避のために教育機会を奪うべきではない」と述べた。
しかし教員団体は、問題の本質は安全人員の不足ではなく、事故時に教師個人へ責任が集中する構造にあると指摘する。全国教職員労働組合は「教師の苦痛を直視すべきだ」とし、制度的改善の必要性を訴えた。
実際、校外体験学習中の事故では教師が民事・刑事・行政の三重責任を負う可能性がある。被害者側は損害賠償を請求でき、重大な過失が認められれば刑事責任も問われる。さらに懲戒処分も科される。
2025年には小学生が車にはねられて死亡した事故で引率教師に有罪判決が下され、別の事故でも教師らに執行猶予付きの判決が言い渡された。こうした事例が現場の萎縮を招いている。
2025年改正の学校安全法では免責規定が設けられたが、安全措置の基準が曖昧で実効性に乏しいとの指摘がある。さらに、事前準備から事後処理までの行政業務も教師に集中し、負担は大きい。
韓国青少年政策研究院は、責任を教師個人から国家とシステムへ転換する必要があると提言。学校や教育庁、外部機関の役割を明確化し、責任を分散する体制構築を求めた。
また、標準安全マニュアルの整備や統合支援体制の構築とともに、「校外体験学習運営および支援に関する法律」の制定も提案。人員配置や免責基準を明確にし、実質的な支援を可能にすべきだとした。
研究では、2026年からの法整備と試験運用を経て、2030年以降にはAIを活用した予防システムの導入まで視野に入れた段階的改革案も示された。
教育界は、責任構造の見直しこそが体験学習の正常化と教育の質向上につながると期待している。
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