2024 年 5月 7日 (火)
ホームライフスタイル韓国の「世界で一番温かい本屋」に行ってみた…TikTokが「BookTok」

韓国の「世界で一番温かい本屋」に行ってみた…TikTokが「BookTok」

TikTok「BookTok」ポップアップストア(c)KOREA WAVE

あいにくの天気だったが、韓国釜山市宝水洞(プサンシ・ポスドン)の本屋街は活気に満ちていた。絶版になった漫画を買おうと書店をのぞき込む男子学生、子どもの手をつないで本を眺める夫婦それに外国人観光客――。彼らはティックトックによる「ブックトックポップアップストア」に立ち寄って写真を撮ったりイベントに参加して本のプレゼントを受け取ったりしていた。

宝水洞の本屋街に4日、行ってみた。古本と新たな本が共存する書店が、入り口から約160mにわたり軒を連ねていた。その中にティックトックが来年1月まで開く「ブックトックポップアップストア」があった。

ブックトック(#BookTok)は、ティックトックが2020年から世界50カ国以上の国で書評や読書感想文、文集、人気小説の粗筋再現など、本と関連した日常を共有する場である。

ティックトックは動画に特化したプラットフォームだが、これは読書文化の定着に貢献したいという思いを込めたプロジェクトだ。世界の読書トレンドや各国の読書習慣を垣間見ることができるチャンネルとして知られ、現在、関連ハッシュタグは1913億ビューを超えている。思ったよりその熱気はすごいものがある。

ティックトックは韓国で今年初めて国内の大手書店「教保文庫」と8月の1カ月間、ブックトックチャレンジを開催した経緯がある。今回は「世界で一番温かい本屋」という名称で釜山にブックトックポップアップを開いた。半世紀の歴史を数える宝水洞の本屋街を再び活気に満ちた場所にしたいという思いを込めた。

TikTok「BookTok」ポップアップストア(c)KOREA WAVE

ポップアップストアの一方に、本屋のコンセプトで飾り付けられたフォトゾーンがあった。ここで写真を撮ってティックトックにアップするとイベントにも参加でき、写真もプリントしてもらえる。また、別の場所では本屋街で購入した本をラッピングしてもらえ、本を送る「ティックトック郵便配達員」サービスも利用できる。

イベントに参加した後、きれいに包装されたいわゆる「ブラインドブック」も選ぶことができる。ブラインドブックの包装には内容を表すキーワードが書いてあり、それを見ながら本を選ぶ趣向だ。私が選んだ本には#ヒーリング、#成長、#友情、#猫が書かれていた。包装を解いてみると「すーちゃんとねこ」(さのようこ作)が現れた。

TikTok「BookTok」ポップアップストア(c)KOREA WAVE

本屋街で使える商品券ももらえる。商品券は、ティックトックポップアップストアのポスターが貼られている一部書店で使用できる。ティックトックとコラボする忠南書店関係者は「雨が降って少し残念だが、天気が良くなればお客さんはさらに多くなりそうだ。ポップアップストアで受け取った商品券で本を買ってくれるので書店運営にも役立つ。もっと多くの方々に訪れてもらいたい」と話した。

本屋街で出会ったイタリア・ミラノから来たカップルは「イタリア語のロンリープラネット(旅行ガイドブック)韓国編がないので、大部分の情報をユーチューブやティックトックから集めた。釜山旅行のためにティックトックで検索する中で、ブックトックポップアップストアを知り、やって来た。韓国の古い書店を訪ねることができて興味深かった」と語った。

宝水洞の本屋街はオンライン書店の登場と周辺の再開発などで苦境にあるが、ポップアップストアやクリエイターのコンテンツで観光客を引き付けた。

あるティックトック関係者は「ポップアップストアは古本屋街というアナログ釜山の風景と、デジタルクリエイターのコラボで作り出す異色のコンテンツと言える。フェスティバルが終わっても持続的な釜山地域の観光文化活性化に寄与すると期待している」と話した。

(c)KOREA WAVE

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